がんこフードサービス・小嶋淳司会長 おきて破り!寿司店で「価格表示」

★がんこフードサービス小嶋淳司会長(78)

2013.12.09

 「外食産業元年」といわれるのは1970年だが、それに先駆ける63年、大阪・十三で創業した4坪の寿司店が100余の店舗を展開するまでになった。「がんこフードサービス」である。50周年を迎えた同社の創業者、小嶋淳司会長(78)の人生を追った。

 1935年、和歌山県上富田(かみとんだ)町に生まれる。9歳で父を亡くし、17歳のときに母が倒れ、家業のよろず屋を引き継ぐ。「分からんことだらけ」ながら研究し、行動した。このとき母から教わった「規律」と「しつけ」の大事さが人生の基礎となる。

 4年半後、戻ってきた兄に店を任せ、同志社大学に入学。在学中についたあだ名の「がんこ」が、後の店名の由来となる。卒業は27歳のとき。「5年の遅れを取り戻すには、2年で起業せなあかんと思うてました」。そして修業先に選んだのが、寿司屋だった。

 「飲食業はまったく評価されてへんかったけど、どの町に行っても、うどん屋と寿司屋は必ずある。このギャップに目を向けたらチャンスが見えてきた。近代化や産業化する余地が一番ある。『これや!』と学生時代にはもう決めていた」

 1年で修業を終え、63年に「がんこ」1号店が誕生した。まず仕掛けたのは、「価格表示」というおきて破りだった。小売業出身の小嶋氏には、時価という言葉がまやかしのように思えたからだ。飲食業の近代化の第一歩でもあった。

 「本業に徹しているうちは絶対いける。経営者があきらめへんうちは、大丈夫なんです」

 2号店を出すときは、120坪の店は借金に頼らざるを得なかった。しかし、従業員たちに語った「大阪一大きな店をつくる」という言葉をウソにしたくなかったから、大きな賭けに出た。この大型店が大阪人の心をとらえ、「がんこ」の名前が知れ渡ることになる。

 翌年には、持ち帰りの専門店をオープン。当時最先端の業種は、2年間で24店舗を展開するまでになる。その後、経営陣に招き入れたコンサルタントなどに任せて事業縮小の憂き目に遭うも、「お客さまの信を得る」行動で業績を回復。「お客さまに喜んでもらって、なんぼ」。それが正直を貫く「がんこ」流の商売である。 (細見昇市)

 ■ほそみ・しょういち 1963年生まれ、京都市出身。大学卒業後、リクルートを経て93年に戦略型求人広告代理業務「キイストン」を設立。「波乱」に満ちた経営者ら2万人と会ってきた経験を生かし、人材採用コンサルタントとして活躍。当連載名もあえて「波乱万丈」とした。著書に「リクルート式 一瞬で人事担当者の心をつかむ方法」(PHP研究所)など。

 

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