「通販生活」の商品が並ぶ店舗オープン 福島県産品を集め永続的に支援

★カタログハウス(1)

2014.01.30


雑誌「通販生活」に載った商品が店内に並ぶ【拡大】

 新年仕事始めの6日、月曜日。東京・新宿の裏通りで景気よく鏡開きをして開店した店があった。雑誌「通販生活」で知られる「カタログハウス」の店舗がこの日オープンしたのだ。

 開店を待ちかねていたファンが早々に訪れていた。あえて「ファン」と表現するのが適当な熱心なリピーターたちが、この会社を支えている。

 「大半が『GS世代』の女性たちです。1976年の創業当時からのお客さまもいらっしゃいます」と「カタログハウスの店」の斎藤憶良社長は話す。

 店内に入ってみる。新店とはいうが、正確にはこれまで新橋にあった店舗を、新宿の「カタログハウス」本社ビル地下1階と2階に移設したのだ。

 両フロア合わせて413平方メートル、このうち地下2階には食品から家電、衣料品に化粧品といった雑誌「通販生活」で紹介している商品が並ぶ。読者を中心とした固定客が雑誌で見た商品を実際に手に取り、目で確かめる場所という意味合いが強い。

 それに対して特徴的なのが地下1階部分だ。このフロアすべてに福島県産品の商品ばかり集めており、社内的にはこのフロア自体を単独店として位置付けている。

 名付けて「本日!福島」。自治体のアンテナショップなら珍しくもないが、あえて民間企業である「カタログハウス」が原発事故の風評被害を引きずる福島県の商品を集積させたわけだ。

 「県内72社から260品目の商品を集めました。コメや野菜をはじめ酒や漬物などの農産加工物など多岐にわたります。この店のために出品いただく企業を募りました」と斎藤社長。

 「もともと当社はチェルノブイリ原発事故で被害を受けた子供たちを救済する活動をずっと続けていました。一方、福島の農家とも震災前からお米などの取り扱いをさせていただいていましたから、震災と原発事故以後、なんとか福島をもり立てたいという気持ちが強かったんです。今回『本日!福島』という名前を屋号にしたということは、震災から3年たってもこの運動を一時的なもので終わらせず、ずっとやっていきますという決意表明を内外に示したことになります」

 ただ、いくら福島支援といってもやはり放射能が検出されると、消費者は安心して購入できない。「販売する商品はすべて放射能測定を行い、当社独自の安全基準をクリアした商品だから大丈夫ですということをアピールしています」(斎藤社長)

 店頭には放射能測定器を置き、実際に消費者に確認してもらっている。雑誌「通販生活」でも「原発ゼロをめざそう」といったスローガンを表紙にうたうなど、小売業の分野では政治的、イデオロギー的な主張はタブーという常識とは一線を画す。

 地価の高い新宿で民間企業が福島の商品だけにこだわって永続的に商売をすることも相当な覚悟が必要だろう。そうした「とんがった会社」が成り立つのも、熱心な「ファン」が支えてくれているからだとあらためて感じた。

 ■西村晃 1956年生まれ。NHK、テレビ東京を経て、経済評論家。「GS世代攻略術」(PHPビジネス新書)、「ポスト・イット知的生産術」、「ルート16の法則」など著書多数。

 ■GS世代 可処分所得の高い「黄金の60代(ゴールデンシックスティーズ)」の略。グループサウンズ世代も意識したネーミング。

 

注目情報(PR)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

実践で使える英会話を習得!業界最高峰の講師がサポートします。毎日話せて月5000円《まずは無料体験へ》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

サンスポ予想王TV

競馬などギャンブルの予想情報を一手にまとめたサイト。充実のレース情報で、勝利馬券をゲットしましょう!