「日本の技術は最高」は錯覚 海外から学ぶ“仕組み”がビジネス改革に

★レッツ!ネット「ワーク」

2014.01.31


2020年東京五輪選手村の建設予定地(手前)=東京都中央区晴海【拡大】

 2014年は、海外からヒントを得てビジネスを改革する年だ。もともと日本は、クルマにしろ家電にしろ、海外で発明されたものに改良を加えて世界トップクラスの商品に育てることで成長してきた。2014年は、それをもう一度最初からやり直す年になる。うぬぼれと錯覚を捨てて海外の資産を洗い直せば、お宝が見えてくる。

 たとえば、アップルのiPodとそれに続くiPhone、iPadの成功要因は、iTunesという音楽流通の仕組み革命だった。クラウドも、分散するコンピューターをネットワークで束ねる仕組み革命のひとつだ。人気のLINEも、Twitterやカカオトークなどのチャットサービスの改良版と言える。

 となると、今後期待されるウエラブルコンピューターや3Dプリンターも、楽しく使える仕組みの開発が成功要因となるだろう。

 たとえば、Googleのメガネ型ウエアラブルコンピューター「Googleグラス」を新聞などの情報提供ツールにする仕組みを確立し、そこで得た商品の情報を3Dプリンターで出力する仕組みと組み合わせれば、情報と広告の新たな市場を生むかもしれない。

 日本ではまだ低迷している電子書籍も、出版社が儲かる仕組みを海外から学べば市場は活性化するはずだ。もともとコピーアレンジメントは日本のお家芸である。個々の製品開発にこだわる日本企業だが、世界の事例を学び、従来の殻を破る革新的な“仕組み”を磨き上げることが日本の再起をもたらす早道だ。

 では、日本の何が海外に売れるのか? たとえば、ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」だ。卑近な例を挙げると、僕が住んでいる東京・原宿には多くの欧米人観光客が訪れ、時々道を尋ねられることがある。あるとき、道を尋ねてきた外国人に「何をしにきたのか?」と聞いたら、「東京五輪投資のために物件を購入しに来たのだ」と答えたので驚いた。

 ついでに寿司も食べたいというので回転寿司に連れていくと、その店のメニューには英語や中国語、スペイン語、フランス語が並んでいた。彼はその後、マンガのバックナンバーとアニメDVDを買いに行った。日本文化が観光資源となっているのは本当のことなのだ。

 そのほかにも、日本には最高の技術レベルを誇る鉄道車両や安全な運営システムなど、世界に誇る“仕組み”がたくさんある。そうした“商材”をもとに世界戦略商品を生み出せる可能性はまだ多く残されているはずだ。

 前回の東京五輪(1964年)で、日本は高速道路や新幹線、治安システム、環境衛生、通信網などのインフラを整備したが、それらの技術はすべて海外から取り入れたものだった。これから2020年までの6年間に海外から日本を訪れる外国人が持ち込む文化や価値観は、前回の五輪から半世紀たって凝り固まった日本の慣習を一新させるだろう。観光客のニーズに答えるべく、サービス産業の革新も起きるはずだ。これをビジネスチャンスと捉えることができる人材が、日本の新しい売り物を生み出す。

 たとえば、スマートフォンの高精度な自動翻訳アプリが日本語の障壁を取り払うかもしれない。土足で家に上がるのが当たり前の住宅が登場するかもしれない。自動販売機とコンビニの組み合わせで、安全を確保するシステムが開発されるかもしれない。海外の住宅が、少子高齢化社会に向けた新住宅や介護システムのヒントになるかもしれない。

 大事なことは、「日本の技術は最高」という神話(思い入れ)を捨てて海外に学ぶことだ。これから何が起きるかわからないカオスな時代に適応するには、固定観念を捨てて産業構造を変えるカオスな日本人になること。これが2014年の日本人の課題だ。 (久保田達也)

 

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