味の素「CookDo」香味ペースト、調味料の常識覆すチューブ式

2014.02.19


味の素「CookDo」香味ペースト【拡大】

 2012年8月、味の素が全国発売をしたチューブの中華だし「Cook Do」香味ペーストが人気だ。

 中華だし市場は年間約160億円(12年度)。本格的な中華味が簡単にできると主婦に支持され、右肩上がりに伸びている。ただ、この市場にはシェア30%を占める缶入りタイプのライバル商品「味覇(ウェイパァー)」があった。

 開発に当たり同社では「ライバルを徹底的に調査し、主婦の声を聞いた」と、食品事業本部開発マーケティンググループの谷口基(もとい)さんはいう。

 その結果、味や風味は「中華料理店の味になる」と高い評価だが、「缶が大きいため使いきれない」「スプーンを使うのが面倒」「長く使っていると固くなる」と“使い勝手”に不満が多いことが分かった。それを受け、さまざまな容器を検討した結果、簡単に絞り出せ、使い勝手のいい量のチューブ製品と決まる。

 だが「チューブはくせ者」(谷口さん)だった。チューブは缶や瓶に比べチープ感があるのだ。そのため調味料にチューブを使う例はほとんどなく、サンプルを見た開発の関係者にも「美味しくなさそう」「絶対、チープ」と不評だった。

 しかし、当時の開発担当者は、「主婦は使い勝手を求めている」とパッケージのデザインで工夫することにした。ベースに食品では例のない金色を大胆に使用。パッケージ真ん中に「香味ペースト」と商品名を置き、右に「鶏ガラ、ネギ油、こがしにんにく油の」の文字を配した。

 「何が入っているかわかり、かつ自分では買わないけれど、でも使えたらよさそうという主婦の感覚に応えた」(谷口さん)

 さらに「スプーンは不便」という主婦の声に対し、使う分量の表示をスプーン何杯ではなく、「一人分は半周」と、パッケージの裏側に一目瞭然の円で表示した。

 11年8月、名古屋地区を中心に先行発売。この時、人気アイドルグループSKE48をCMに起用「これ1本で中華100品」と宣伝し、売れた。が、新たな課題が見つかった。「品数が多すぎ、商品特性が伝わりにくかった」(同)

 その反省から、全国発売では家庭料理の定番でありながら不満の多い、野菜炒めとチャーハンの2つに絞り訴えた。

 修正は功を奏した。「母の作る野菜炒めはイマイチ」「ウチのはチャーハンとは呼べない」という息子の不満が革命的に解消するCMは大評判。年10億円売れれば特大ヒットといわれる調味料の世界で、10億円を半年足らずで達成する大ヒットとなった。

 「しっかり主婦の声を聴いた」ことがヒットの要因と谷口さんは振り返る。「普通ならより美味しくしよう、より品質をよくしようと中身にのみ集中する。しかし、メーカーの開発志向ではなく、主婦の声から使い勝手に気が付いたことで、画期的な商品となった」という。 (村上信夫)

 

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