“美文字”ブームを牽引 宝島社「30日できれいな字が書ける ペン字練習帳」

2014.02.26


宝島社ペン字練習帳【拡大】

 昨年、流行語大賞にノミネートされ、社会現象となった“美文字”。その先駆けとなった『30日できれいな字が書ける ペン字練習帳』シリーズ(宝島社)が、実用書で異例の272万部を突破し、ブームを牽引(けんいん)し続けている。オリコン2013年年間本ランキングの総合部門5位、ムック部門1位にも輝いた。

 同シリーズは見開き2ページで1日分、30日で1冊を終える構成になっている。大判のAB版ノートタイプで、実寸大の手本をなぞり書きすることで上達できると評判である。

 きっかけは、編集局第6編集部部長・井野澄恵さんがテレビで見た「女性のコンプレックスに関するアンケート」だった。井野さんはテレビや雑誌のアンケート・ランキングに注目し、アンテナを張っている。ニーズがわかるからだ。

 「1位〈太っている〉に続き、2位〈字が汚い〉」が印象に残った。「ダイエット本はたくさんあるのに、字をきれいにする本はあまり見ないな」と思い、さっそく書店へ行ってみた。書店で何冊かのペン字練習書を買い、試してみた。が、どれもしっくりこなかった。ひらめきは確信になった。

 これまで習字・ペン字に関する本を手掛けたことはなかったが、「専門の編集者じゃないからできないのではなくて、やったことがないからできることがある」(井野さん)と考えた。「やったことがないから、初めてだから一から点検できる」のだ。

 大判のAB版を採用したのもその一つ。これまでペン字書といえばA5版が常識だった。しかし、判型をいろいろ試し、開きやすく・一番書きやすいものにした。

 手本の字も、著者の中塚翠涛(なかつか・すいとう)さんと2人で20代〜30代の女性をイメージし、「好感度のある、きれいな字」に決めた。手本も主婦なら学校への連絡帳、OLなら伝言メモなど「私たちの世代でよく使うよね」という背伸びしないものを選んだ。

 2009年12月、シリーズ第1弾を発行、1年で10万部のヒット。2年目に、書店の店頭になぞり書きを体験するメモ帳・ボールペン付きの販売台を設置し、これが人気となる。“美文字ブーム”の始まりである。

 12年末、中塚さんがテレビに出演。芸能人の字を添削するコーナーが人気となると、テレビの前で、皆が練習したり、自分の字を写メで撮ってツイッターやSNSにアップし、「私も書いてみました」と報告するなど、ブームは社会現象となった。

 井野さんは「出版不況を感じたことがない」という。「ちゃんとニーズをとらえ、求められるものを作れば、お客さまに必ず届く。編集者は届くものを作ればいい」

 『作ってあげたい彼ごはん』(シリーズ累計344万部)、『こうちゃんの簡単料理レシピ』(シリーズ累計216万部)、そして、「30日できれいな字が書けるペン字練習帳」シリーズと連続してミリオンを放つ編集者の確信である。(村上信夫)

 

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