長崎の新郷土料理「ちゃポリタン」 発信力、行政、地元メディアの力で味と売り上げベストマッチ

2014.03.12


ちゃポリタン【拡大】

 2012年2月に誕生した長崎の新郷土食『ちゃポリタン』。かんぼこ(長崎蒲鉾)や野菜が入った長崎名物のちゃんぽんを、トマトケチャップで炒めたちゃんぽん麺のナポリタンだ。

 初めは「え〜っ!!」と思うが、食べてみると意外にベストマッチ。どこか懐かしい味がする。実は「ちゃんぽんとナポリタンの麺には太麺ともちもち感という共通性がある」と、カゴメ広報の菅史乃さんはいう。

 きっかけは、長崎の水産加工業の危機感だった。長崎市は蒲鉾店の数も、一人あたりの購入額も日本一。だが、県外への出荷が少なく「長崎かんぼこ(蒲鉾)」の知名度は今一つ。

 そこで、官民学連携の地域活性化プロジェクト「長崎かんぼこ王国」が立ち上った。

 同じ頃、カゴメ九州支店では、江戸の鎖国時代にトマトが伝来したといわれる長崎で、ご当地食材を活用したトマトメニューの開発を考え、試行錯誤。「やがて、ちゃんぽん麺のナポリタンに辿り着いた」(菅さん)

 こうして、ちゃんぽん麺の長崎生麺協同組合、長崎かんぼこ王国、カゴメの三者が手を組み、レシピや麺の開発などに着手する。スパゲティをちゃんぽん麺にすることで麺をゆでる手間がいらず、簡便調理。さらに冷めてもおいしく食べることができると分かった。「ちゃポリタンは、長崎地産のかんぼことちゃんぽん麺、そしてカゴメのトマトケチャップを使うこと」と定義。ちゃんぽんとナポリタンを合わせた造語「ちゃポリタン」は「比較的すんなりと決まった」(同)。カゴメが代表して商標登録を取得した。

 発売に当たって、カゴメの担当者が「地産メーカーさんのお顔の広さ、情報発信力にびっくりした」というほど、ちゃんぽん麺、かんぼこのメーカー各社が、自社のWEB、店頭での情報発信、地元の祭り・イベントなどの催事と、とにかく細かい展開を行った。

 12年4月26〜30日に開催された「ながさき帆船まつり」で、長崎生麺協同組合が専用ブースを出して販売したところ、大人気。長い行列ができた。さらに、13年夏、横浜で開催された「カゴメナポリタンスタジアム」でも好評、全国的にも広まった。

 各社がそれぞれ、情報発信を積極的に行ったのは、「ちゃポリタン」の定義を明確にし、商標使用にハードルを作ることで、それぞれ利益の上がる仕組みができたからだといえる。店頭、地元メディア、行政を巻き込んだきめ細かな地元の情報発信力と全国に対するカゴメの発信力が相乗効果となった。

 カゴメの担当者は、「カゴメ一社で仕掛けることはできなかったと思う。地域別メニューを掘り起こし、販売活動を行うことの重要性に改めて気づかされた」という。(村上信夫)

 

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