福井・越前の「ボルガライス」 3人で勝手に始めた地域おこし

2014.03.19


ホルガライス【拡大】

 過疎化、少子高齢化で寂しくなる地元。そこで「何か自分たちにできないか」と職場の仲間3人が、勝手に始めたご当地グルメの普及活動が、ついには期間限定だが、大手コンビニで全国発売されるまでに広がった。

 福井県越前市の『ボルガライス』である。

 発起人の日本ボルガラー協会・波多野翼さんら3人は、越前市役所に勤める同僚。彼らは2009年12月、「もったいない福井人気質」という新聞の見出しを目にする。記事には「福井県民が宣伝下手で宣伝する意志がない」と書かれていた。さらに、その代表例としてボルガライスが紹介されていたのだった。

 「挑戦的な記事でした。よし、それならボルガライスで、やってやろうじゃないかと3人の心は燃え上がった」と波多野さん。3人で日本ボルガラー協会を設立、勝手に普及活動を始めた。

 ボルガライスはオムライスの上にトンカツを載せ、店独自のソース(カレー不可)をかけた料理。越前市内の飲食店で30年以上前から提供されていた。が、その発祥には諸説あり、はっきりしない。ご当地メニューとはいえ「当時は、地元でも知っている人は2割ほどで、市内で提供しているお店も5店舗しかなかった」(波多野さん)。

 そこで、ボルガライスを地元に愛されるご当地グルメにしたいと考え「ボルガライスを学校給食に」を目標にした。

 最初に始めたのはCM制作。出演者はもちろん、撮影、演出、編集すべて自分たちの手作り。やっとのことで3つの動画を完成させ、動画投稿サイト「YouTube」で公開した。次は提供店をまとめたホームページ。無料のサイトを探し、店には「勝手に応援させてください」と了解を得た。10年3月、5店舗の情報を載せてホームページを公開した。

 そして越前市出身の人気漫画家・池上遼一さんの妹が、ボルガライスを提供する店を経営している縁をたどって、ポスターの原画を依頼する。だが、そこまで。いざポスターを作る段になり、印刷費が捻出できなかった。

 補助金やスポンサー集めなど、さまざまなアイデアが浮かんだものの、結局、家族や親戚、友人・知人に“ボルガライス愛”を語り、協力金を集めた。約70人が出資し、力強いタッチで描かれる人物画にボルガライスの文字が躍る印象的なポスターが、10年9月に完成。美容室や酒屋、寺や神社など越前市の町中にポスターがあふれた。これがきっかけとなり、協会へ地元の新聞やテレビからの取材が殺到し、さまざまなメディアで「ボルガライス」が取り上げられ、ブレークした。

 たった3人で勝手に始めた地域おこし。成功の要因は「無理をしないことと、お金がないので、知恵と情熱で多くの人の協力を得られたこと」と波多野さんは言う。(村上信夫)

 

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