丸善CHIホールディングス 書店運営だけでの黒字確保は非常に困難

2014.04.01


(1)貸借対照表【拡大】

 本日は、書店大手の丸善CHIホールディングス(東京)をピックアップする。出版不況・読書離れが続く昨今、書店チェーンの丸善やジュンク堂を運営する同社の経営状況は現在、どうなっているのだろうか。2014年1月期の決算書から、読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。純資産が資産の約26%で、安全性の面で大きな問題はないが、やや心許ない。有利子負債に依存している財務体質であることは否めない。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。階段図の傾斜を見れば分かる通り、収益力は低いと言わざるをえない。粗利率は23%程度であり、そこからさらに販管費を差し引くと営業利益は売上高の1%にも満たない。まさに赤字スレスレの状況である。

 セグメント別=〔3〕〔4〕=で見てみると、書店での書籍販売を行う「店舗・ネット販売事業」が売上高のおよそ半分を占める同社の中核事業であることが分かる。業務効率化や不採算店舗の閉鎖などで何とか赤字を脱したものの、同事業の利益率はわずか0・1%だ。

 実は、同社の利益の9割近くが、図書館向け書籍販売や大学向け教科書販売を行う「文教市場販売事業」と、図書館運営を受託する「図書館サポート事業」で稼いだ利益なのである。これらは主に、グループ会社である図書館流通センターで行っている事業だ。つまり、同社のような大手書店チェーンであっても、書店運営だけでは黒字を保つのが非常に困難ということだろう。

 書籍雑誌販売市場は9年連続売上前年割れとなり、厳しい経済環境にある。同社は今後、この現状を打破することができるのだろうか。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

 

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