ハグルマ封筒、DM電子化による減収も高品質封筒からの発注増

★ハグルマ封筒(2)

2014.04.10


工場は自動化が進む【拡大】

 東京・表参道で高級手紙用品の店「ウイングド・ウィール」を経営する「ハグルマ封筒」。

 「当社は1918年、大阪府松原市で創業しました。この辺りは昔から農家の副業で、手内職の封筒貼りが行われていました。それが機械化企業化され、現在も大手封筒メーカーには大阪系企業が目立ちます」

 こう説明するのは今村元信取締役。とくにこの会社が得意とするのが「窓付き封筒」。相手先の住所氏名が内容物に印刷されていれば、封筒の『窓』を通して読み取ることができる。「窓」の透明度を上げ、郵便取り扱いができるようにしたことで大きく成長した。

 「2010年にこの堺市に本社工場を移転、生産力の強化を図りました。この工場では1日200万枚の封筒を生産できます」(今村さん)

 しかしこの業界は生産能力を増やせば売り上げも伸びるという甘い見通しは立てられない。2003年の27億円をピークに売り上げは減少、IT化の進展による法人のDMや金融機関の連絡文書の電子化、そして官公庁需要がネット入札となり、価格も大きく下落した。

 ハグルマ封筒が個人の結婚式需要などを狙う「ウイングド・ウィール」を出店したのもこうした状況を打開したかったからだ。ただ、いくら好調とはいえ、売り上げは2億円ほどで、ハグルマ封筒本体の落ち込みを補うほどではないようにも見える。

 しかし今村さんは、それは違うと力を込める。

 「『ウイングド・ウィール』によって高品質の封筒需要があることがヒントになり、法人主体のハグルマ封筒でもブランド化を進めています。宝石店や外車ディーラーなど優良顧客の囲い込みを狙う企業は、顧客展示会などの案内を出す際に特別な仕様の封筒やカード、便箋を使います。そうした会社の担当者は『ウイングド・ウィール』の商品を見て、ハグルマ封筒に発注してくださるケースが増えたのです」

 減収でも増益になる仕組みつくりが『ウイングド・ウィール』を通じてできるようになった。高額商品の優良顧客こそ「GS世代」、この会社は「大量・廉価」という呪縛からの脱皮を図ろうとしている。

 ■西村晃 1956年生まれ。NHK、テレビ東京を経て、経済評論家。「GS世代攻略術」(PHPビジネス新書)、「ポスト・イット知的生産術」、「ルート16の法則」など著書多数。

 ■GS世代 可処分所得の高い「黄金の60代(ゴールデンシックスティーズ)」の略。グループサウンズ世代も意識したネーミング。

 

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