「雇用義務化」が正確な表現 企業の負担下げる“抜け道”も

★<始動編(3)>「65歳定年−ウソ?ホント」

2014.04.16


高年齢者雇用安定法改正の経緯(ニッセイ基礎研究所作成の資料より)【拡大】

 「60歳を超えても元気で働こう」が合言葉のオレンジ就活。その流れを加速させてきたのが、いま施行されている「高年齢者雇用安定法」だ。今回はこの法律の解説になってしまうが、「オレンジ就活」を考える上で避けて通れないものなので、おつきあいいただきたい。

 正式名称の「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」が施行されたのは1986年。長寿化社会をにらんで、60歳定年の努力義務化を盛り込んだのがそのはじめだ。その後何度かの改正を経て、現在の内容になっている。

 その間の日本の高齢化と少子化の速度は当初の予測を上回り、特に年金制度の将来不安が高まったのはご存じのとおりだ。現在、年金の受給開始年齢は徐々に引き上げられ、65歳に向け進行中。

 また少子化は、労働力不足の懸念も生みはじめた。つまり雇用の延長は「年金受給までのつなぎ」という考え方から「労働力を補完する」意味合いも含まれてきているのだ。

 ■「65歳定年制」ではない

 そこで同法の改正が行われてきたのだが、オレンジ就活に関する注目すべき点としては、「雇用義務の期間」と「雇用形態」がある。

 まず2006年の改正で、会社等は「定年の引き上げ」「継続雇用制度の導入」「定年制の撤廃」のいずれかを選択しなければならなくなった。ただ、継続雇用制度を導入した場合は定年年齢はそのまま(60歳)でもいいことになる。よく「『65歳定年』の時代」などと言われるが、それは正確な表現ではなく「『65歳まで雇用義務化』の時代」の方が的を射ているだろう。

 また、雇用が義務付けられた期間は年金受給開始年齢の引き上げと連動しているので、いますぐ65歳までの雇用延長になるわけではない。今のところ16年3月までは61歳まで、が義務になっている。その後段階的に進んで、最終的には2025(平成37)年4月からは65歳、というスケジュールだ。

 しかし実際には、改正法に合わせて65歳を想定した社内規定に就業規則を改定している会社等も多く、すでに実質的な“65歳定年”を実施しているところもある。この点は“その日”が目前に迫ったオレンジ世代のサラリーマンのほうがよく知っていることだろう。

 ■雇用形態はさまざま

 一方で同法は、企業の負担が重くなり過ぎないよう、グループ会社での再雇用も可能とするほか、勤務形態の大幅な変更(非常勤、パート、ワークシェアリング)等ができるとしている。また、勤務態度や心身の健康状態が著しく悪い人は対象から外せる、との規定もある。

 義務と裏腹にいくつもの“抜け道”もあるだけに、「希望さえすれば」と安穏としているわけにはいかないようだ。 (「オレンジ就活」取材班)

 

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