「管理費」「修繕積立金」の決定権は管理会社ではなく管理組合

2014.04.20


管理組合の一員としてしっかり目を光らせたい(写真と本文は関係ありません)【拡大】

 マンションには「管理」が不可欠である。共用部分を清掃して清潔に保ち、エレベーターなどの設備を維持・保全する…。共同住宅であるマンションには欠かせない業務だ。そこには費用が発生するので区分所有者は「管理費」を払うことになる。

 さらに「修繕積立金」という名目の料金も徴収される。これはマンションの共有部分の修理・保全のために積み立てるお金である。

 こういった料金は一体誰が決めるのか。

 新築マンションの場合、売主企業が子会社を管理会社に指定するので、そこが決める。いわば、管理会社の「言い値」で当初の管理費や修繕積立金が設定される。購入者は、唯々諾々とそれを払うことになる。

 ただ、管理組合は基本的に管理会社を選べる。最初はお仕着せの管理会社に管理業務を任せるのは仕方がないとしても、理論的には翌年から別の管理会社と業務委託契約を結ぶこともできる。いわゆる「管理会社変更」である。

 管理業務というのは、管理組合が管理会社に委託するもので、基本的には自由契約。同じく、区分所有者から管理費や修繕積立金をいくら徴収するのかを決めるのも、実は管理組合なのだ。

 ところが、多くの区分所有者はそういった“平凡”な事実に気づいていない。管理費や修繕積立金は、管理会社が決めるものと思い込んでいる。

 管理費や修繕積立金は、面積比で算出される。1平米あたり何円、という基準。管理費の場合、マンションの規模にもよるがおおむね1平米あたり200円程度が目安。修繕積立金も、同じく200円くらいが望ましいと考えられている。

 75平方メートルのマンションの場合、あわせて月額3万円となる。しかし、3万円だと高い、と感じる方も多い。そこで、修繕積立金は半額にする。すると、月額2万2500円。これで「まあいいか」という水準。では、半額にした残りはどうするのか。

 今時の新築マンションには、販売時点から長期修繕計画なるものが策定されている。そこに修繕積立金の値上げ計画が盛り込まれている。5年後に50%、10年後にまた50%、15年後には…当初の3倍まで値上げというのがよくあるパターン。

 つまり、販売しやすいように修繕積立金を安く見せているだけ。結局、後で払わされるのである。何とも姑息な手段だ。

 ただし、管理や修繕工事をどの会社に発注するのかは管理組合が決める。修繕積立金の値上げを承認するのも管理組合。管理会社が都合のいいように決めた大規模修繕工事や修繕積立金の値上げを、実施するかどうかはすべて管理組合が決める。

 だからこそ、マンションは「管理が重要」と言われる。黙っていれば、管理会社の都合のいいように修繕工事を施工され、修繕積立金の値上げを要求される。

 マンションの主は区分所有者であり、管理の主役は管理組合。決して管理会社ではないことを肝に銘ずるべきだ。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。不動産会社の注意情報や物件の価格評価の分析に定評がある(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。

 

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