岸本直人氏、仏料理の伝統技法を“和の食材”で表現

★(株)フランスフーズオーナーシェフ岸本直人氏(47)

2014.05.05


表参道にあるフレンチ「ランベリー」【拡大】

 ミシュランガイド東京で、2008年から7年連続で星を獲得している、南青山のフレンチ「ランベリー」は、フランス語で「美しくする」の意。オーナーシェフの岸本直人さんは、このテーマに挑戦し続け、オマールエビやフォアグラなどの定番食材よりも、日本の食材を工夫して使う。

 「フランス料理の伝統技法や文化を日本の食材で表現したい。“こうあるべき”に従っていては挑戦はない」というアグレッシブな考えからだ。

 ブレない信念は高校時代に培われた。中学生の頃から趣味は料理。卒業と同時に調理師学校に進みたかったが、親の説得で信州の高校へ。起床から就寝まで厳しい規律で管理される寮生活。ランニングや体操、掃除、洗濯など、無心で義務をこなすしかない。「矯正施設のような学校のおかげで、何事も自分でなんとかする術を身につけられた。親に感謝です(笑)」

 高校卒業後、ステーキ店「スエヒロ」に就職。配属先のレストランは、憧れのホテル出身のチーフらが、全てをイチから作っていて勉強になった。「グラタンやベシャメルソース、ピザも生地からでした」

 だが、チーフの推薦で上位ランクのフレンチ店へ異動するも、浮かれて体調を崩し、無念のリタイア。兄の紹介でしばらく清掃会社に通ううち「コックの道は捨てきれない」と決意を新たにする。

 次に働いた地中海レストランの先輩に「ラ・ロシェル」の坂井宏行さんを紹介され、一緒に坂井さんの元へ。以来、厳しい修行を乗り越え「坂井さんの弟子」で通るまでになり、1994年渡仏した。2年間、有名店を渡り歩き、研鑽(けんさん)を積む。この時、「フランスの料理をコピーするだけでは味気ない。もっと“型にはまらない料理を”という結論の中で、“和の食材”へ思いが強くなったんです」という。

 「もっと切れが良く、もっと軽い」が当時抱いた食のイメージだ。また、シェフ自ら食材を仕入れる姿を目の当たりにし「目指しているのはこれだ」と思った。坂井さんから教わった「生産者への思い」に通じていた。

 帰国後、銀座「オストラル」を立ち上げる一方で、河豚調理免許を取り、「銀座小十」の奥田透さん、「龍吟」の山本征治さんらから日本料理の伝統や技術も教わった。4月下旬に「ランベリー」京都店をオープン。ますますの活躍が期待されている。 (細見昇市)

 ■ほそみ・しょういち 1963年生まれ、京都市出身。大学卒業後、リクルートを経て93年に戦略型求人広告代理業務「キイストン」を設立。「波乱」に満ちた経営者ら2万人と会ってきた経験を生かし、人材採用コンサルタントとして活躍。当連載名もあえて「波乱万丈」とした。著書に「リクルート式 一瞬で人事担当者の心をつかむ方法」(PHP研究所)など。

 

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