パイロット挫折し…マーシュ代表取締役・桝谷周一郎氏

★マーシュ(株)代表取締役・桝谷周一郎氏(40)

2014.05.26


イタリアンの広尾「オステリア・ルッカ」【拡大】

 広尾「オステリア・ルッカ」のオーナーシェフ、桝谷周一郎さんの料理事始めは、小学4年生の時。NHKの料理番組を見ながら「唐揚げ」を作ったら、家族みんなから褒められた。その後も料理はいつもうまくできて喜ばれた。だが日頃は問題児。親はたびたび学校に呼び出された。

 夢はパイロットで中学卒業後、養成学校に進学するも3カ月で中退。姉に「このままいったらチンピラだよ」と言われ、選んだのが料理界だ。

 「自分をたたき直そう。25歳で独立するんだ」と決意した。調理師学校で1年勉強した後、日本青年館で徹底的に基礎を身につけた。

 「料理、食材管理、衛生面から包丁の砥ぎ方、接客マナーに至るまで、イロハのすべてを教えていただきました」

 3年勤務した後、有名ホテルへ。メーンダイニングに立つのを目標に頑張った。だが業者の調理品を温めて提供するバイキングに切り替わり、失望して20歳で退職。しかし拾う神ありで、イタリア料理店のシェフに迎えられた。

 オーナーには今も感謝している。お客になめられないよう「25歳のつもりで働け」と励ましてくれた。「25歳の仕事をやるなら、さらに5歳上の仕事をしなければ」と思い至る。目標に向け、身銭を切って名店に通い、本をむさぼり読み、技術修得のために研鑽(けんさん)を積む。

 この熱心さが次の扉を開けた。中国で飲食店の展開を考えていた社長に見込まれ、レストランを切り盛りすることに。優遇されて私生活は充実した。だが、食材すらまともに入らない国に長くいても「日本のやつらに抜かれる」と見切りをつけ、帰国。

 25歳で代官山に念願の出店を果たす。9坪12席の「オステリア・ルッカ」。「最低でも月に150万から200万円はいくだろう」と考えていたが、簡単には及ばず、ギャンブルにはまり、借金を重ねてしまう。

 「もう駄目だって思った時にインターネットで店が紹介され、売り上げが急にアップして、著名な方々にも来店いただき、抜け出せました」

 その後、2号店で失敗してからは、初心に帰って仕事に取り組み、なすび亭の吉岡英尋氏、賛否両論の笠原将弘氏ら、若手料理人と料理研究や飲食経営する共同プロジェクトを通して切磋琢磨(せっさたくま)している。

 現在は代官山から広尾へ拠点を移し、リニューアルオープンを果たした。モダンに仕上げられた内装、心躍るイタリア料理、そして気さくなスタッフの方々と桝谷さんは、いまなお多くの人々をとりこにしてやまない。 (細見昇市)

 ■ほそみ・しょういち 1963年生まれ、京都市出身。大学卒業後、リクルートを経て93年に戦略型求人広告代理業務「キイストン」を設立。「波乱」に満ちた経営者ら2万人と会ってきた経験を生かし、人材採用コンサルタントとして活躍。当連載名もあえて「波乱万丈」とした。著書に「リクルート式 一瞬で人事担当者の心をつかむ方法」(PHP研究所)など。

 

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