あなたが「この人のために頑張ろう」と思うのはどういうときですか。
欠点や短所ばかりを指摘し、失敗をすれば責め、できたことや、やったことに何の評価もない、そんな人のために頑張ろうと思いますか。また、前任者と比較され、「前の人は、言わなくてもやってくれたのに」とか、「○○部署のAさんは、社長賞をとっているのに…」など、他のメンバーと比較されたら、やる気をなくしませんか。もし、同じ職場に比べられた相手がいたら、その人への逆恨みも発生するかもしれませんし、チームとしてギクシャクするかもしれません。
「指示待ち部下を何とかしたい」
「言われたことだけ仕事をするのではなくて、言われたこと以上のことをやってほしい」
そう望むなら、まずはあなたが部下にとって、「自分を観てくれるリーダー」「自分を見守ってくれるリーダー」「自分を信じてくれるリーダー」「自分に期待してくれるリーダー」になることが必要です。人間、どうしても他人の「いいところ」より「悪いところ」に目がいってしまうもの。でも、それでは人はついてきません。
あなたは部下の特技、できること、できたことをどれだけ挙げられますか。「欠点や短所、失敗、できないこと」は山ほど挙げられるけれど、いいところは思い浮かばない、なんてことになっていませんか。
部下に期待以上の仕事をしてもらいたいと思うなら、部下とコミュニケーションをとりましょう。そうすることで部下は個性を発揮し、指示以上の成果を出してくれるはずです。(沖本るり子)
■おきもと・るりこ CHEERFUL(チアフル)代表取締役。「5分会議」を活用した人財育成家。広島県出身。江崎グリコなどを経て管財商社に入社し、30代前半で取締役に。同社の倒産で円滑なコミュニケーションの必要性を痛感し、「聞き手が内容をつかみやすい話し方」などを徹底研究した。現在は企業研修、公開セミナー講師として活躍している。『相手が“期待以上”に動いてくれる! リーダーのコミュニケーションの教科書』(同文舘出版)が最新刊。