株式投資術で守る「食の安全」 大量摂取せずリスク分散を

2014.07.31

連載:経済快説


中国製チキン商品の販売を中止したマクドナルド【拡大】

 中国の食品会社が出荷した期限切れ鶏肉の問題が波紋を広げている。

 この会社から仕入れた鶏肉を一部の商品の原料に使っていた日本マクドナルドは、同社の重要な商品の一つであったチキンナゲットを当面販売中止とした。安全を訴えてこの商品を売り続けるメリットよりも、問題を早く沈静化できると期待しているのだろう。

 今や、日本に限らず、世界中で中国産の食材が使われている。中国産を除外する、いわゆる「チャイナ・フリー」の食生活は、よほどこだわるのでなければ難しい。

 一方、食の安全がないがしろにされているのが中国だけであると非難するのはフェアでない。

 日本でも、食肉加工品の中にゴミ屑レベルのものを混ぜたミートホープ社(社員の内部告発を受けて、潰れた)のような事例があった。中国の食品会社の場合も、床に落ちた肉をラインに戻したり、青色に変色した肉を平気で使ったり、といったミートホープ並みの不衛生状態だったようだ。

 そもそも、外食の場合、原料に何を使い、どの程度衛生的に調理されたものなのかを客側では知ることができない。食材の産地、調理前の状態、調理時の衛生管理などは、性善説的に「悪いものではなかろう」と期待する以外にないのが、おおむね客側での現実だ。真剣に心配するなら、外食自体が気味の悪いことだ。

 とはいえ、普通の人は外食を全て避けるのでは不便だし、家で自炊しても食材の全てについて完全に問題がないことを確認できるわけではない。

 食の安全確保にあって重要な考え方は、リスクを完全に除去するのではなく、なるべく小さく押さえ込むことだ。

 少々乱暴な意見だが、今回もミートホープの問題でも、相当の量の最終製品が出回っていながら、不衛生な食材を食べて死亡したり、大量の食中毒者が出たりしたわけではない(だからといって、いいとは言えないが)。ありがたいことに、人間は、相当に丈夫な生物なのだ。

 さて、不完全な情報の下で、食のリスクを抑えるには、どうするといいのだろうか。

 思うに、考え方は、株式投資などのリスク管理とかなり似ている。

 大事なのは、同じものを大量かつ集中的に摂取しないことだ。少量の摂取であれば、仮に問題のある食材の食品を食べたとしても、健康への影響は限定的だ。筆者の思うに、たまに食べるチキンナゲットが劣悪である影響よりも、毎回甘い清涼飲料水とポテトを摂取することの、肥満や糖尿病に与える影響の方がずっと確実に(!)悪そうだ。

 それ以外は、自炊を増やす、食材産地に気をつける、信頼できそうな業者から食材を買うなどの細かな努力を積み重ねて、不良食材の摂取確率を地道に落とすしかない。 (経済評論家・山崎元)

 

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