「もうやんカレー」辻智太郎社長 原価が高くても客が多く来れば大丈夫

★「もうやんカレー」辻智太郎社長(43)

2014.08.18


 「もうやんカレー」の店内【拡大】

 「身体に良いカレーを通じて、皆さんにハッピーになってもらいたい。それが、私のビジネスの軸です」

 そう語る「もうやんカレー」の社長、辻智太郎さん。「もうやん」は子供の頃からのニックネーム。自慢のカレーは、トマト、りんご、バナナ、ニンジンなど、厳選野菜を2日かけて煮込み、完成まで約2週間かかる。形はなくなっているが、1皿に玉ねぎだけでも丸ごと1個分、そして25種以上のスパイスが入っている。だから「カレーソースの食材原価は、一般的なカレーの3倍!」。

 かつて有名食品メーカーが、コラボで市販品を作って売り出そうと誘ってきたが、同じ味にするには食材費がかかりすぎると分かり、頭を下げて見送った逸話があるほど。

 「うちのカレーがまねできないことが証明されたわけですから、うれしかったですが、市販されたら有名になるなとも思っていたので、ちょっぴり残念でもありました(笑)」

 東京・杉並区で生まれ、伊豆大島の農業高校に進学。「ブルドーザーやトラクターで畑地を開墾したり、農薬や除草剤をなるべく使わずに野菜や果物を作ったり…。収穫が一番の楽しみでした。畜産も経験しました」

 まだ飲食店経営は視野になかったが、くしくも、食材の生産現場をじっくり学べた。転機は、大学を卒業してスポーツ関係の会社に入ってから。「寮に入れてもらったので家賃が安く、食費にお金をかけられました。自炊していたのですが、短時間で作れ、おいしくて栄養のバランスのいいものとなると、カレーみたいな“スパイス鍋”に行き着いたんです」

 これが仲間にウケて、カレー店開業を考え始める。あちこち食べ歩き、退職後は、有名な神保町のボンディ、銀座のモンタニエで修業。「『人の3年を3カ月で』と決め、猛特訓を受けました」

 1997年11月、新宿に1号店を開店。「25歳で妻子もいまして、危険な冒険でしたが、まわりを何とか説得して、3000万借りてのスタートでした」

 はや17年になる。今では「原価が高くても、お客さまが数多く来ればもうけは出る」もうやん方式で、「冷凍カレー」の通販や、店のFC化にも力を注いでいる。 (細見昇市)

 ■ほそみ・しょういち 1963年生まれ、京都市出身。大学卒業後、リクルートを経て93年に戦略型求人広告代理業務「キイストン」を設立。「波乱」に満ちた経営者ら2万人と会ってきた経験を生かし、人材採用コンサルタントとして活躍。当連載名もあえて「波乱万丈」とした。著書に「リクルート式 一瞬で人事担当者の心をつかむ方法」(PHP研究所)など。

 

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