元ぽっぽやさん、赤坂に“夜行列車” 郷土料理の店

2014.08.29


お店をほぼ自前でしゃれた内装にした町田さん【拡大】

 鉄道関係の人を「ぽっぽや」といったりする。汽車ぽっぽからとった俗称だが、鉄道関係者も普通に使っている。その元「ぽっぽや」さんが、東京・赤坂で“夜行列車”を開業した。もちろん本物の列車ではなく、秋田や山形の食材を使った郷土料理の店だ。

 「〜わ〜ダイニング トランブルー」(フランス語で夜行列車)店主の町田晃さん(56)は、昨年までJRの鉄道員だった。父親も兄も「ぽっぽや」という鉄道マン一家。1976年に旧国鉄秋田鉄道管理局に入社して車両保守、列車運行指令業務に従事。民営化後は、都市開発、観光事業、直営ホテルなど関連部門のさまざまな仕事を経て、55歳で早期退職した。

 「音楽と料理を楽しむ店をやりたい」というのが「ぽっぽや」時代からの夢。あえて赤坂という飲食店の激戦区に出店した理由について、町田さんは「ここは音楽的な環境も整っているし、隣が官庁街でいろんな情報も入ってくる」と思ったからだという。

 「生まれ育った東北の食材と料理を提供し、都会と地方をつなぐ列車のような店に」がコンセプト。JRのグループ企業で経験してきたことが独立後、役に立った。国の「創業補助金」を受け、開業費を抑えるために内装工事もほとんど自前。

 「国鉄時代、車両修理の仕事もやらされていたので、大工仕事は慣れている。今回も自分でできることはやろうと、床から天井、厨房(ちゅうぼう)、電気関係、ガス以外は全部自分で作った」

 しゃれたカフェのような雰囲気。壁に設置されたモニター画面に秋田・大曲の花火の動画が流れる。きりたんぽ鍋のランチは、スープ、サラダ、漬物、コーヒーが付いて1080円。ディナーは料理が8品付き、3時間飲み放題で4000円とリーズナブルな料金設定。秋田県立大曲農業高校家庭部とのコラボ企画で、「あきたこまち」をすりつぶした生地を使った「葉・菜・美ピザ」というユニークなメニューもある。

 開業して1年がたった。「当初3年はかかると思っていたけど、1年半で軌道に乗るような状態」と飲食店の激戦区でなかなかの健闘ぶり。中学時代から始めたサックス奏者で、JR時代も演奏活動は続けていた。

 「しばらくは店の方に専念し、余裕ができたら音楽活動も再開したい」という。

 ■大宮知信(おおみや・とものぶ) ノンフィクション・ライター。1948年、茨城県生まれ。中学卒業後、東京下町のネジ販売会社に集団就職。ギター流し、週刊誌編集者など二十数回の転職を繰り返し、現在に至る。政治、経済、社会問題など幅広い分野で執筆。新著「死ぬのにいくらかかるか!」(祥伝社)など著書多数。

 

注目情報(PR)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

毎日25分からのオンライン英会話。スカイプを使った1対1のレッスンが月5980円です。《体験無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。