ブラック企業で浴び続けた言葉の暴力 ここで辞めたらただの負け犬!(1)

★ここで辞めたらただの負け犬!(1)

2014.09.09


楯岡悟朗(著)『ここで辞めたらただの負け犬! ブラック企業で「修行」した男の日常』(KADOKAWA/中経出版)【拡大】

 僕が28歳で入社した会社は、いまでは一般的な言葉となったが、いわゆる「ブラック企業」といっても差し支えないのだろう。

 入社初日。配属された営業所の所長が衝撃的なセリフを語った。

 「営業は兵隊だ!」

 兵隊って、ここは旧日本軍か何かですか? このときから僕は、この所長を「部隊長」と自分のなかで呼ぶことにした。

 部隊長のほかにも副所長のような先輩がいた。こわもてだが、不動産知識だけではなく法律や金融、税金についても詳しく、頭が非常にいい。ただ、怒り出すと部隊長と同じで話がとことん長く、手を替え品を替え、さまざまな方向から攻めてくるため、1〜2時間怒られっぱなしというのが当たり前だった。顔を真っ赤にして怒るので「赤鬼先輩」と勝手に呼んでいた。

 朝の7時から夜中の2時までの19時間労働、厳しいノルマ要求…。しかも、赤鬼先輩が繰り返す人間否定、人格否定のオンパレード。毎晩のように言葉の暴力(ときには物理的)にさらされ続ける僕は、手も足も出ないサンドバッグ。心身ともに疲れ果て、午前2時の帰路でバイク事故も起こしかけた。

 あるとき、赤鬼先輩が大爆発した。

 「お前がダメなのはお前だけのせいじゃないんだよ。お前の人生に携わったすべての人間のせいなんだ。お前のダメさ加減を恨むんなら、そいつらを恨むんだな」

 このひと言は心底許せなかった。僕の人生はおろか、僕に関わってくれた人たちを全員否定したのだ。僕は一人になると声を上げて泣いた。 (楯岡悟朗)

 ■たておか・ごろう 不動産活用コンサルタント、空き家管理コンサルタント。営業未経験で入社した大手不動産会社で過酷な労働を「修行」と受け入れ、最短で役職者に昇進し、表彰式常連のトップ営業マンへ。これまで扱った案件は首都圏で300件以上、総額60億円超。現在は妻の両親が経営する「きねや不動産株式会社」(東京都世田谷区)で経営にも参画。7月に『ここで辞めたらただの負け犬! ブラック企業で「修行」した男の日常』(KADOKAWA)を上梓した。

 

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