すかいらーく 資産の約半分占める巨額「のれん」に特徴

2014.09.09


(1)貸借対照表【拡大】

 本日は「ガスト」「ジョナサン」などのファミリーレストランを展開するすかいらーく(東京)をピックアップする。不況の影響により、2006年にMBOで非上場化したが、8年の歳月を経て、来月、再び上場する。現在の同社の実態はどうなっているだろうか。2014年1月〜6月期(上期)の決算書(国際会計基準)をもとに読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対する純資産の割合は26%で、安全性の面では特に問題ないだろう。特徴的なのが、MBOの際に発生した巨額ののれん代である。なんと資産全体の約半分(約1400億円)を占めており、その額は純資産をも上回る。これをマーケットがどう評価するのか注目したい。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。売上総利益率(粗利率)は約70%、営業利益率は約7%で、他の外食大手チェーンと比べても数字としては悪くない。かつて、他の外食大手との競争により収益力を落としていた同社であるが、投資ファンド傘下で経営再建を進めた結果、強靭な収益力を身につけて、再び表舞台に戻ってきた。

 ただし、同社の利益の大きさは国際会計基準(IFRS)を適用していることも影響している。すなわち、日本の会計基準ではのれんは最長20年にわたり、毎期均等償却する必要がある。これに対しIFRSではのれんの償却は一切不要である。そのため、IFRSを適用している方が見かけの営業利益は大きくなる。同社ののれんは約1400億円もあるため、日本の会計基準を適用していれば、のれんの償却額は少なくとも年間70億円にも上る。したがってIFRS適用の同社は、営業利益がその分大きくなっている。

 IFRS適用にはこのようなメリットがある一方、のれんの減損リスクがあることを忘れてはならない。極端な話、仮に同社ののれんがすべて減損となったら一気に債務超過に陥ることもなくはない。同社が属する外食産業は成熟業界といわれているが、再上場をきっかけにさらなる躍進を期待したいところだ。 (川口宏之)

 ■かわぐち・ひろゆき 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

 

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