虚妄にすぎない日本国債暴落論 (1/2ページ)

2014.09.12


日銀の国債保有と国債利回り【拡大】

 世界最大の純債権国、日本の国債は世界の投資家の逃避先なのだが、来年10月の消費税率10%への再引き上げ是非論議とともに国債暴落論がこれから盛り上がる気配である。

 暴落論を分類してみると、まずは終末予言スタイルで、代表例が元外資系銀行ディーラーで参議院議員の藤巻健史氏である。氏は今年6月出版の『迫り来る日本経済の崩壊』(幻冬舎)で、「日銀による国債購入の約束は今年の12月まで。買いをやめれば国債と円は暴落し、一気にハイパーインフレに! ドル資産を保有する者だけが生き延びる」と、いわばノアならぬ「ドルの箱船」に乗れと勧めている。『金融緩和で日本は破綻する』(ダイヤモンド社)と警告する野口悠紀雄一橋大学名誉教授は消費税率を10%に上げても、国債不安は解消しないとみる。

 財務省はこれらの暴落論には同意しないが、便乗したい。「国債市場不安」をテコにして消費税増税論をあおりたい。日銀の異次元緩和で国債相場は上昇し、国債金利は下がり続けている。国債の利払い負担を減らせるので、金融緩和は大歓迎だ。しかし、日銀緩和だけでは市場に不安が残るので、消費税増税が欠かせないという論法である。

 その論理が国債暴落の「テールリスク」論である。テールリスクとは、巨大隕石(いんせき)の地球への衝突のようにめったに起きないが、起きたら壊滅的な打撃を受けるという便法だ。日本国債について当てはめると、消費税増税を見送れば国債暴落リスクが高まる、という。昨年9月初めには伊藤元重東大教授が言い出して、黒田東彦(はるひこ)日銀総裁が同調するに及び、安倍晋三首相に消費税増税を決断させる殺し文句になった。

 

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