【「01」発想講座】国際ビジネス都市の構築は「金さえあれば商売が行える」仕組み作り

2014.10.03


インターコンチネンタルホテルの部屋から見える高層ビル群【拡大】

 中国・大連で01発想をしてきた。ここにはもともとソフトセンターがあり、日本のIT産業も多く参加していたが、人件費の高騰と中国の自前の産業が台頭したことで、巨大産業都市に変貌しようとしている。

 大連は4カ月前にも訪れたが、宿泊したインターコンチネンタルホテルの部屋から見える光景は、50階以上の高層ビルに変貌していた。朝食時も、欧米人がレストランで英語やロシア語、ドイツ語を交わしていた。高層ビルが完成し、欧米の企業が続々と進出しているのだろう。大連の港は水深が深く、大型貨物船の港として使えるため、湾岸型商業都市の立地条件も備えている。

 とはいえ、高層ビルの下には露天商が立ち並び、新旧の街が混在している。若者たちはスマートフォンの画面を見ながら歩き、ネイルアートを楽しんでいるが、その一方で怪しげな漢方の精力剤を売る行商がいたり、クモやサソリを出す揚げ物屋もあったりする。

 高級車のディーラーや保険会社、銀行、旅行会社の店舗に加え、マクドナルドやユニクロ、ZARAなどのショップも一等地に並んでいたが、日本よりも1.2倍ほど高い価格設定だ。かつて愛用していたカルティエの腕時計やモンブランの万年筆を買おうとしたが、日本の1.5倍ほどの価格でショックを受けて店を出た。

 ここで、ひとつ教訓を得た。ある街を急速に国際ビジネス都市に変貌させるための最も手っ取り早い方法は、法律や経済体制を整えるよりも「金がありさえすれば商売が行える」仕組みを作ればいいのだ。

 「金を出せば買え、金をもらえば売る」。ただこれだけのシンプルなルールがあるおかげで、世界中の企業が参入し、自由競争が激化して進化を加速させているのだ。

 ニューヨークの5番街のようになった大連を見ながら、自分ならどんな商売をするだろうかと想像してみた。

 外資系の有名な商品や飲食店はすでに進出しているか、いずれ進出する。ならば、日本独自のネタで商売するしかない。しかし、和服販売などは市場が小さいし、骨董品は中国にもあり余っている。だとすると、やはり日本料理の飲食店だろうか…など構想していく。

 寿司、そば・うどん、鰻、ラーメン、お好み焼き、おにぎり、弁当…。日本料理もさまざまだが、低価格競争では地元の定食屋にかなわない。ならば、高級食材で高級調理を作り、高級インテリアの店で地元の富裕層と観光客を狙うという手がある。

 実際、港の夜景が楽しめるレストランに行くと満席だった。大通りは、東京ドームの何倍もあるイベント会場からの帰り客で大混雑していた。この光景を見て、大連在住の中流階級を含む数十万人の市場が見込めると判断した。

 大連の商業都市構想の完成は5年後だという。2020年には、東京五輪目当てで多くの外国人観光客が東京を訪れるが、「せっかくアジアに来たのだから中国の先端都市も行ってみよう」と飛行機で数時間の大連に立ち寄る客も多いはずだ。また大連は、ロシアの虎の子である天然ガスを運ぶ鉄道の中継基地になる可能性も高い。

 さらに、日本の携帯電話と通信インフラ産業にも参入の予知はある。大連には満州時代の良き遺産が多数残されており、日本から短時間で行ける距離にあるから、日本しかない商売のネタや技術、そして現金と中国語(を話せる人材)をそろえれば、新規ビジネスの態勢は整う。中長期の事業計画とはこうやって構想するものだ。 (久保田達也)

 

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