中国人の「銀座の宴」は今がピーク ドル連動の人民元増に限界 (2/2ページ)

2014.10.03


ドルと人民元の資金供給増加量推移【拡大】

 グラフは「リーマン・ショック」が勃発した2008年9月以降の、米国と中国の中央銀行による通貨の発行量(マネタリーベース、人民元はドル換算値)増加額の推移を追っている。米連邦準備制度理事会(FRB)は3次にわたる量的緩和によって現在までにドル発行残高を4・5倍増やしたが、中国人民銀行はそのドルの増加規模にほぼ、ぴったりと合わせて人民元を増発してきた。

 中国は人民元のドルに対する為替レートの変動を上下各1%の幅に限定する「管理変動相場制度」をとり、わずかずつ人民元相場を引き上げてきた。中国に流入するドルなど外貨をことごとく人民銀行が買い上げて、人民元を発行する。このシステムのもとでは、ドルが大量発行される限り、人民元をふんだんに発行しても、人民元の通貨価値を高めに維持することが可能である。

 大量に増発される人民元は人民銀行から国有商業銀行などの金融機関に供給され、それが原資となって不動産開発投資が盛んになり、リーマン後の投資主導型高度成長を実現した。不動産投資で資産を運用する中間層以上の階層が豊かになり、党幹部など特権層は権力をテコに巨額の不正利得をかせいできた。

 銀座での中国人観光客のにぎわいぶりは今後も続くのだろうか。習近平国家主席は汚職腐敗の取り締まりを強化した。不動産市況の全国的な悪化も明らかにマイナス材料だ。しかも、米国の量的緩和政策はこの10月中に終了し、ドルの供給は今後増えなくなる。ドルと無関係に人民元を増発すれば、中国が高インフレに見舞われる恐れも生じる。銀座での中国人客の宴は今がピークだろう。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

 

注目情報(PR)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。