「銀座小十」奥田透さん 日本料理の精神を様々な角度から学びミシュラン3つ星獲得

★「銀座小十」店主・奥田透さん(44)

2014.10.13


銀座小十【拡大】

 「ミシュランガイド日本」が発足した2008年版以来、三つ星を獲得し続けている日本料理店「銀座小十(こじゅう)」。

 「初めて三つ星をいただいたのが37歳のとき。神様は私に何を望んでいるのか必死で考え、世界に正しい日本料理を発信し、伝えることが、私の使命だと思い至りました」と、店主の奥田透さん。

 すでにこの道27年。高校卒業後、故郷・静岡の割烹旅館「喜久屋」に住み込み、修業開始。「できないことを先送りにせず、今克服した方がいい」と教わり、「とにかくハングリー精神でした。接客を徹底的に身につけるため、夜にクラブのボーイを掛け持ったりしましたね」。

 次いで、京都の「鮎の宿つたや」では、京料理人の京野菜に対するこだわり、歴史的建物の掃除や手入れの大切さなど、日本料理の精神をさまざまな角度から習得し、「舌先だけの仕事でない」ことを痛感。

 徳島の料亭「青柳」では、社長の運転手や下足番から出直し、「どんな料理にも文化や芸術などのように世界レベルのものがある」ことを身をもって学び、24歳で「青柳そごう」の支配人を任されるまでに成長。

 1999年に静岡で「花見小路」を開店した後、2003年に念願の東京進出を果たしたのだった。憧れていた唐津焼の名匠・西岡小十さんから、「皆さんに好かれるお店に」と店にその名をいただき、器を焼いてもらった。

 ところが、店は閑古鳥。資金が枯渇しかけて、死ぬことも考えたほど。

 「知名度がないからだ」と気づき、決死の覚悟でマスコミにPRしたところ、「東京カレンダー」の掲載がきっかけで、形勢逆転。「味よし、接客よし、清潔で店主の人柄もいい」と食通のリピーターや口コミが広がり、開店4年でミシュラン三つ星となったのである。

 「銀座に開店したときは約20坪の小さな店で十分と思っていましたが、お客さまにゆったりくつろいでいただける、三つ星店にふさわしいグレードに」と、前より広めの現在の場所に移転した。

 昨年は、日本料理の周知や継承のためにパリに出店するなど、自身の使命感のもとアグレッシブに行動中。世界が奥田さんの動向に注目している。 (細見昇市)

 ■ほそみ・しょういち 1963年生まれ、京都市出身。大学卒業後、リクルートを経て93年に戦略型求人広告代理業務「キイストン」を設立。「波乱」に満ちた経営者ら2万人と会ってきた経験を生かし、人材採用コンサルタントとして活躍。当連載名もあえて「波乱万丈」とした。著書に「リクルート式 一瞬で人事担当者の心をつかむ方法」(PHP研究所)など。

 

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