【激変!相続税に備える】来年1月1日から相続税改正 マイホーム遺産が争いの原因に

2014.10.08


遺産額と相続人による相続税額(万円)の増加【拡大】

 いよいよ来年の1月1日から相続税が改正される。相続税の計算で、遺産から差し引ける基礎控除が4割も削減されるのだ。その結果、首都圏でマイホームを所有しているが、同居する親族がいないケースでは、相続税の負担の可能性が高まった。

 私のもとにも相談者が多くなった。「何か節税できるでしょうか?」。節税はできるが、親の財産がマイホームだけの場合、相続税より遺産分割でもめる。その対策の方が重要だと答える。

 なぜ、マイホームが相続争いの原因になるのか。これを複数の子供で均分する方法は、(1)マイホームを売却し金銭を均分する(2)マイホームを相続する子が、ほかの兄弟に相当の代償金を支払う(3)マイホームを共有名義にする−の3つである。しかし、誰かがマイホームに居住している場合は、(1)マイホームを売却できない(2)高額な代償金を支払えない(3)共有名義は、ほかの兄弟に利益がない−の3つでもめる。

 最近、こんな事例があった。父親は都内の一等地の自宅のほか、田舎の土地をたくさん所有していた。父親の相続が発生し、財産を評価してみると、都内の自宅と田舎の土地が同じ評価額になった。母親はすでに他界しており、相続人は姉妹2人である。姉は妹に「あなたは田舎に知り合いが多いのだから、田舎の土地は、あなたが相続しなさいよ」と言った。姉の言葉に従えば、法定相続割合の通りに遺産を分割することなる。しかし価値がまったく違う。妹は田舎の土地も心配だったが、都内の自宅と引き換えでは納得がいかない…。

 節税対策を求める相談者には、その財産がマイホームだけである場合、それをガラスの器に例えて話す。器は器のままで水が入る。しかし、無理やり分ければ割れる。割れた器は使い物にならない。かけらに価値はない。

 そのうえで、相続対策で何を優先したいか尋ねる。もし、マイホームを誰かに遺したいと望むなら、遺言書を書く(権利を遺留分に変更)、家を相続する子が受取人の生命保険に加入する(代償金の準備)、家を相続する子に建物を贈与(譲渡)する(居住権の確保)、などの方法を伝える。

 ただし、ほかの兄弟が憤慨する可能性も必ず伝える。そして、もし子供たちが仲良くすることを望むなら、遺言を書く前に子供たちを集めて「私の相続で不平等が生じる。それには、こうした理由とこういう考えがある。どうか理解してほしい」と話すようアドバイスする。

 ■安食正秀(あじき・まさひで) アセット・アドバイザー代表。相続アドバイザー協議会会員。不動産コンサルタント。1963年、東京都生まれ。立教大卒。熊谷組を経て、2006年に起業。次世代への財産承継を最優先に、相続対策の企画立案、実務支援を行う。

 

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