【激変!相続税に備える】教育資金は1500万円まで非課税 贈与税は緩和の方針

2014.10.22


贈与額と受贈者による贈与税額(万円)の変化【拡大】

 同居の子がいる場合の相続は、死亡した親の財産総額が正しいかでもめる。同居の子は他の兄弟から「親の金を隠した」「使い込んだ」などと疑われるのだ。さらには、「親との同居で経済的に楽だった」とも非難される。親の介護でさんざん苦労した末の罵声である。

 一方で、同居の子は親の介護を寄与分と考えがちだ。だが、残念ながら同居の子が「親の面倒をみた」と主張しても寄与分は認められがたく、遺産分割に優遇はない。

 そこで、同居する子には親の出費についての記帳を勧めている。記帳で寄与分が認められるものではないが、少なくとも「親の金を使い込んだ」とは言われずに済む。不要な金融口座も解約しておくといい。

 また、親の臨終前後に葬儀費用を親の預金から引き出すのは避けたい。兄弟に対し、親の金を勝手に使える状態であると印象付けてしまうからだ。相続税の計算では、遺産から葬儀費用を差し引けるので、事前に心配する必要はない。

 同居でよく問題になるのが、孫名義の貯金だ。親の死後、タンスや仏壇を整理すると貯金通帳が出てくることがある。孫を思ってか、100万円単位の通帳もある。しかし、これは名義預金といわれ、死亡した親の財産に加算される。孫への贈与とは認められない。

 贈与は、お年玉の受け渡しを思い出せば理解できる。祖父母が「はい、お年玉」と渡し、孫が「ありがとう」と受け取る。このように、贈与は一方の申し込みと、もう一方の承諾があり、双方の合意で成立する。合意がなければ贈与ではないのだ。

 セミナーで「子や孫以外にも、贈与はできますか?」と質問される。贈与は親族だけでなく他人にもできる。贈与税には年間110万円の控除がある。例えば親が、子供とその配偶者と孫2人の合計4人にそれぞれ年間100万円を贈与すれば、400万円が非課税で贈与できるわけだ。

 したがって贈与は、相続税対策には有効で即効性がある。相続税は段階的に税率が上がる累進課税なので、贈与により、その人の最も相続税率が高い財産を減らすことができるのだ。

 相続税は増税されるが、子や孫に対する贈与税は緩和の方針だ。高齢者の資産を現役世代に早期移転することでの経済効果が期待されているからだ。とくに、教育資金贈与の非課税措置は好評だ。30歳までの子や孫への教育資金を、1人当たり1500万円まで非課税で贈与できる。来年度の税制改正では、住宅資金贈与の非課税措置の拡充も検討されている。

 贈与は、子や孫から慕われる作用もある。しかし、孫のいる子だけに贈与が偏ると、後の相続で子供のいない兄弟ともめる可能性もあるので要注意だ。

 ■安食正秀(あじき・まさひで) アセット・アドバイザー代表。相続アドバイザー協議会会員。不動産コンサルタント。1963年、東京都生まれ。立教大卒。熊谷組を経て、2006年に起業。次世代への財産承継を最優先に、相続対策の企画立案、実務支援を行う。

 

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