円安でも株価は上がらなくなった 増税に踏み切れば「アベノミクスは殺される」 (2/2ページ)

2014.10.24


日本株式指数の円建て、ドル建て比較【拡大】

 筆者もその筋書きそのものは支持してきたが、金融緩和による円安の景気押し上げには限度があると、みなしていた。2001年3月から06年3月までの日銀による量的緩和期では円安で輸出を増やし、株価も上がったが、デフレ基調は続き、物価の下落以上に賃金が下がる。つまり実質賃金は下落し続けていた。民間設備投資の回復もほんの一時期に終わった。金融緩和策は有効に違いないが、それだけでは慢性デフレからの脱出は不可能だ。

 慢性デフレのきっかけは、1997年4月からの消費税増税だった。今回、消費税増税に踏み切れば「アベノミクスは殺される」と筆者は拙著などで警告したが、安倍晋三首相が信頼を寄せる黒田東彦日銀総裁は「異次元緩和があるので、増税しても景気は回復基調を続ける」と進言した。首相はそこで今年4月から消費税率を8%に引き上げたが、結果は無残である。

 円安は株価を浮揚させられず、実質賃金を押し下げ、それに消費税増税が追い打ちをかける。安倍首相が12月に、来年10月からの再増税を見送ったとしても、アベノミクスは効能を取り戻せるか疑問である。消費税率を5%に戻せないなら、中間層以下への所得税減税も検討すべきだ。何よりも必要なのは政治の危機感だ。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

 

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