(有)ラーナー オーナーシェフ橋本羅名さん 言葉や保証人で苦労も…

★(有)ラーナー オーナーシェフ橋本羅名さん(49)

2014.10.27


堀切菖蒲園駅前にある「牛将」【拡大】

 京成線の堀切菖蒲園駅前に、地域の人に愛されて14年余の「和牛炭火焼肉 牛将」がある。厳選国産牛肉、25種の新鮮なホルモンをはじめ、バングラデシュ出身のオーナーシェフ・橋本羅名(ラナ)さん特製の「炭火七輪で焼くタンドリーチキン」も絶品だ。

 羅名さんは11人兄弟の3番目で、住み込みの家庭教師をしながら首都ダッカの大学を卒業したが、軍事政権下の長引く内戦で自国は疲弊し、明るい未来を描けなかった。「会社を興して人の役に立つ仕事をし、親に楽をさせてあげたい」との思いをかなえるため22歳のとき来日した。

 ゴム工場で朝早くから夜遅くまで働きながら日本語を学んだ。職場をはじめ周囲は親切だったので、実家はイスラム教信仰だが日本人と同じ行動をし何でも完食した。「節操がないかもしれない。でも日本人に同化して生きようと決めたから、倣いました」

 8年の勤務を経て日本女性と結婚。これを機に、上野や川崎の焼肉店で働き、メニューやレシピ開発、接客、従業員教育、マネジメントなど、飲食店経営のノウハウを習得。やがて独立を決意する。だが、融資の保証人探しは難航した。

 「事業計画書を持って、駅前で道行く人に声かけてお願いし続けました。すると、ある日、私を見かねた見知らぬ人が外国と取引されてる知り合いの元に連れて行ってくれました。その方が保証人を引き受けてくださったので、銀行の融資を受けられたのです」

 2001年6月に開店。いきなり繁盛するも、3カ月後、日本中を震撼(しんかん)させたBSE騒動が勃発し苦境に立たされる。

 「本当に苦しかった。でも従業員を解雇しないで乗り越えました」

 以後、リスクを考えて始めた新業態の豚もつ料理「とん将」も軌道に乗り、カレー料理店も含め現在、4店舗を運営している。

 「私の成長を支えてくれたのは日本ですから、私の帰る所は日本です。でも祖国が豊かになるよう日本バングラデシュ協会(JBA)を設立し、給食つきの学校を建てる運動をしています。将来はダッカに日本企業を誘致したり、日本との人的交流もしていきたい」と力強く話した。 (細見昇市)

 ■ほそみ・しょういち 1963年生まれ、京都市出身。大学卒業後、リクルートを経て93年に戦略型求人広告代理業務「キイストン」を設立。「波乱」に満ちた経営者ら2万人と会ってきた経験を生かし、人材採用コンサルタントとして活躍。当連載名もあえて「波乱万丈」とした。著書に「リクルート式 一瞬で人事担当者の心をつかむ方法」(PHP研究所)など。

 

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