【激変!相続税に備える】基礎控除増やし節税 安易な養子縁組はトラブルに 他の兄弟へ事前に説明を

2014.10.29


遺産額と養子による相続税額(万円)の変化【拡大】

 相続税の節税には、養子縁組という方法がある。子の配偶者や孫を親の養子にして、遺産から差し引ける基礎控除を増やし、相続税を減らすのだ。親に実子がいる場合の養子は1人まで、実子がいない場合でも2人までに制限されている。税法上の制限である。

 また、親の財産を養子にした孫に相続させて子の財産を減らし、子の相続税をゼロにする方法もある。ただし、親の財産を孫が相続する際に孫に相続税がかかる場合は、相続税が2割加算される(子が親より先に他界して、孫が代襲相続する場合を除く)。遺言書などで、血縁がないのに遺産を受ける者も2割加算の対象だ。

 「私のもらえる財産は、これだけでしょうか?」という相談があった。4人兄弟で父親の財産を相続するが、長男から説明された相続財産が少なすぎるというのだ。母親はすでに他界していたので、法定相続割合は4分の1である。遺言書があり権利が遺留分に変わっても8分の1が一般的だ。しかし、戸籍を見て驚いた。4人兄弟のはずが、養子縁組によって11人兄弟になっていたのである。

 戸籍に連なった名前は、長男の配偶者と孫2人、孫の配偶者1人とひ孫3人。計7人が、父親の養子であった。遺言書もあったので、相談者の遺留分は22分の1に減った。遺言書で指定された財産は、これに相当する不整形な土地だった。

 遺留分とは、相続人に保証された遺産相続の割合で、法定相続割合の半分になる。被相続人の兄弟姉妹に遺留分はない。遺言書などで遺留分を侵害された相続人が、遺留分減殺請求の意思表示を行って、効力が生じる。

 冒頭で、親に実子がいる場合の養子は1人までと書いた。これは基礎控除を算出するための、税法上の制限である。民法では養子に制限はない。

 子や孫の養子縁組は、届出書類に養親と養子(15歳以下の場合は法定代理人)と、証人2人が署名捺印して、当事者の本籍、または居住地を管轄する市区町村に提出すればよい。簡単な手続きで済んでしまうので、親と同居する子が、自分の配偶者を親と養子縁組させる事例が多い。

 しかし、他の兄弟からすれば、法定相続分の権利を有する相続人が増えて、不利益を被る可能性が高くなる。「俺は、養子なんて聞いてない!」と、遺産分割協議の手前で争いとなった事例もある。安易な養子縁組はトラブルになる。婚姻届と同じく重大な手続きであるという認識で、他の兄弟へ、事前に十分な説明をするよう、私はアドバイスしている。

 ■安食正秀(あじき・まさひで) アセット・アドバイザー代表。相続アドバイザー協議会会員。不動産コンサルタント。1963年、東京都生まれ。立教大卒。熊谷組を経て、2006年に起業。次世代への財産承継を最優先に、相続対策の企画立案、実務支援を行う。

 

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