カインドウェア(2)“次の100年”目指し介護用品のパイオニアに

★カインドウェア(2)

2014.11.06


百貨店の介護用品売り場に並ぶカインドウェアの商品【拡大】

 タキシードや礼服メーカー「カインドウェア」は1894(明治27)年創業、今年120年を迎えた。

 「創業者は秋田藩の御典医でしたが、東京に出てきて古着商を始めました。古着といっても着古した中古品ではなく既製服のなかった当時は、上流階級などが着用した衣料品が民間に払い下げられていました。これからは洋服の時代と考え、その先駆けをなしたのです」

 こう語るのは創業家4代目の渡邊喜雄会長。

 「3代目は戦後、これからは庶民も礼節を重んじる必要があると略礼服を世界に先駆けて開発しました」(渡邊会長)

 結婚式にも葬式にもネクタイを替えるだけで着ていける紳士用のダブルの略礼服は一世を風靡(ふうび)する。とくに1970年代最大のお得意さんが、「GS世代」だった。

 「ベビーブーム世代が結婚ラッシュ、その時必要なものとしてフォーマルウェアが大ヒットしたのです。テレビCMに加山雄三さんとともにこの世代に大人気だった田中邦衛さんを起用し、大きな話題となりました」(同)

 カインドウェアがGS世代にクルーズ用のタキシードやドレスアップスーツを提案するのは、この略礼服市場をもう一度掘り起こすことに他ならない。

 ところでカインドウェアには、もう一つの顔がある。

 「それは介護用品です。現在は年商の20%くらいですが、5年以内に被服部門の売り上げを上回ることを目標にしています」と渡邉会長。

 「創業95周年の時から5年かけて次の100年どんな会社にするかとグランドデザインを考えました。いくつかの事業目標が上がりましたが、その中で焦点を絞ったのが『シルバー』でした。当時私自身が親の介護をしていましたが、介護用品に魅力的なものが少ない。早く高齢者になって、あんなすてきなものを使ってみたいと思ってくれるような魅力的な介護用品の先駆者になろうと決めました」

 中でも主力商品はステッキだ。カラフルな柄物や折りたたみ式など豊富な品ぞろえを誇る。そしてボタン一つで折りたためるステッキも開発中。

 「高齢者だけでなく、2020年パラリンピックまでに整備される情報インフラを取り込み、IT技術を込めたモバイルメディアステッキの開発を目指します」

 渡邊会長の目は次の100年を見据えていた。

 ■西村晃(にしむら・あきら) 1956年生まれ。NHK、テレビ東京を経て、経済評論家。「GS世代攻略術」(PHPビジネス新書)、「ポスト・イット知的生産術」、「ルート16の法則」など著書多数。

 ■GS世代 可処分所得の高い「黄金の60代(ゴールデンシックスティーズ)」の略。グループサウンズ世代も意識したネーミング。

 

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