【激変!相続税に備える】不動産売却失敗の3つの要因 相続開始から10カ月以内に納税しなければならず

2014.12.03


境界の越境物は色々なものがある【拡大】

 不動産を売却して相続税を納税する場合は、事前の準備が重要だ。相続税は、相続開始から10カ月以内に納税しなければならないが、その間に相続人がしなければならないことは山ほどある。

 そんななか、白紙の状態から遺産分割協議を行い、売却する不動産を決めるようでは、親族がもめた途端に工程が行き詰まってしまう。不動産の売却には、購入者の融資申請や隣地との境界確定など、3カ月程度の時間を必要とするからだ。

 そもそも不動産は、購入するより売却する方が難しい。特に個人は不動産売却の経験が乏しく、失敗することが多い。その要因は以下の3つに適応できないところにある。

 (1)価格決定…誰しも不動産を高値で売りたいし、他の相続人の目もあって妥協できない。しかし今は、都内の一等地でない限り、買い手市場だ。価格は買い主との合意があって決まるものだが、こうした現実に納得ができない。

 (2)権利確定…権利証の重要性は誰もが知っている。しかし、それ以外の権利確定が問題になる。土地であれば、境界確定だけでなく、隣地とのブロック塀や土留め擁(よう)壁の所有権、建物や植栽の越境などを確認し、その対処を取り決める必要がある=図。

 土地が借地なら、契約書で面積、賃料、更新料などを約定しなければならない。建物であれば、登記の有無、雨漏りや白アリ被害、修繕履歴の確認が必要だ。借家人がいる場合にも、借地同様、契約書を整えなければならない。

 (3)売り主責任…日本では、消費者である個人は保護されている。そのため、売り主であっても消費者意識から脱皮できない。売り主は、買い主に対して責任と義務がある。

 例えば、売却する不動産に対して、売り主が知っていることを説明する責任や、地中に埋まった廃棄物など、買い主の購入目的が達せられない事態には、売り主が負わねばならない瑕疵(かし)担保責任がある。これらを怠れば、損害賠償を負う義務が生じる。

 土地等を売却して相続税を納税する場合、来年から相続税以外にも負担が増える可能性がある。売却益に課税される「譲渡所得税」の特例が厳しくなるためだ。

 この改正により、土地は相続時に売却した方が得だという考え方も変わるだろう。今後の日本の人口減少を考えれば、いつでも不動産を売却できるように準備しておき、納得できる価格と相手に出会ったときに売却する方が有利になるからだ。

 ■安食正秀(あじき・まさひで) アセット・アドバイザー代表。相続アドバイザー協議会会員。不動産コンサルタント。1963年、東京都生まれ。立教大卒。熊谷組を経て、2006年に起業。次世代への財産承継を最優先に、相続対策の企画立案、実務支援を行う。

 

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