【激変!相続税に備える】小規模宅地等の特例 条件満たせば80%減額に

2014.12.17


小規模宅地等の特例【拡大】

 課税逃れへの対策が強化されている。政府は、社会保障と税の共通番号(マイナンバー)を、個人の預貯金口座と連動させる方針だ。連動されれば、親の口座から引き出された多額の現金が誰の口座に移ったか、瞬時に調査できるようになる。引き出した現金の痕跡が無くなれば、現金を隠したと捉えるだろう。

 国外財産調書制度により、5000万円超の海外資産は申告が義務付けられている。さらに、金融資産を一定額以上持つ富裕層が海外へ移住する際、株式等の含み益に対して所得税を課税することも検討されている。

 相続税の課税は、基礎控除を下げて範囲を広げ、共通番号で厳しく取り締まる。反対に、親族が堅実に継承する財産への課税は緩和される。その代表が小規模宅地等の特例だ。被相続人の自宅や事業用の宅地は、相続税の課税財産に算入する価額を限度面積まで一定割合減額できる=表。1億円の自宅の土地が、要件を満たせば2000万円に減額できるのだ。改正で自宅の限度面積は330平方メートルに拡大される。

 ただし、自宅の土地を相続する者に条件がある。(1)配偶者(2)同居親族(3)いずれもいない場合、相続前3年以内に国内の自己や配偶者の持ち家に居住したことがない、日本に住所か国籍を持つ者−が相続しなければならない。一次相続は配偶者で適用できるが、二次相続は子供が同居していない場合が多く、持ち家に居住していれば特例が使えない。

 相続税対策には贈与が効果的であるため、子供の住宅資金を贈与するケースが多い。しかし、自宅を相続させる可能性がある子供には、親の名義で住宅を購入して子供を住まわせておき、将来自宅を相続させたほうが、贈与より節税効果が出る可能性もある。

 二世帯住宅でもこの特例が使いやすくなった。上下階で入り口が異なっても、同居親族として適用ができるのだ。ただし、建物の名義は親か子供の単独名義か、両者の共有名義にする。1階を親名義、2階を子供名義にするなど区分所有登記をすると特例が使えないので注意が必要だ。

 このように、親から子供へ財産の承継を堅実に行うと、相続税対策に大きな効果がある。逆に言うと、親子が財産の承継について合意していなければ整わない。その前段として、納税対策で自宅を遺せるか確認する必要があるし、自宅を継がない子供への分割対策も必須になる。相続対策は一部に捕らわれず、全体像を把握して対策しなければならない。

 ■安食正秀(あじき・まさひで) アセット・アドバイザー代表。相続アドバイザー協議会会員。不動産コンサルタント。1963年、東京都生まれ。立教大卒。熊谷組を経て、2006年に起業。次世代への財産承継を最優先に、相続対策の企画立案、実務支援を行う。

 

注目情報(PR)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。