「すずや」「鈴や」蟹江社長 「やせ我慢」説く地元密着の居酒屋

★「すずや」「鈴や」蟹江脩礼社長(39)

2015.01.19


地元密着の居酒屋「鈴や武蔵中原店」【拡大】

 東京都世田谷区二子玉川に生まれた蟹江脩礼さん(39)は、小学校からスポーツ少年団に所属。父が運営する少林寺拳法の道場にも通っていた。高校時代に始めた配管工のバイトで職人の世界に憧れ、大学に進学せず、その道に入る。

 「そろそろ戻って、会社を手伝え」と父のひとことで、21歳の時に父の経営する機械部品メーカーに入社するが、両親が離婚したことを機に独立する。その理由は「母が、第二の人生を歩みたいと小料理屋のようなお店をやりたがっていた」からだ。

 結局、23歳で父の会社を退職。その後、母と妹、それと料理職人を加え、4人で居酒屋を開業。まさに第二の人生を、おのおのの思いを抱きながら歩み始めることになった。

 1999年4月、神奈川・溝の口に14坪、27席の「すずや本店」をオープンすると、2001年2月には「鈴や武蔵中原店」、翌02年3月には「すずや本店」を50席に拡張。03年には「鈴や武蔵中原店」のフロアを70席に拡張するなど若い経営者はぐんぐんと坂道を駆け上っていった。蟹江さんの特徴は、文字に落とした経営だ。

 「すずやの経営理念」は5項目におよぶ。(1)旬・食文化の継承(2)地域貢献・活性化の推進(3)顧客満足度の追求(4)本物志向(5)食の安心・安全である。

 経営者になって15年がたつ。むろん逆境もゼロではなかったが、その試練を乗り越えてきたことで自信も力もみなぎる。「すずやの思い6カ条」に「義理と人情とやせ我慢の精神で人間関係を築く」とある。最後の「やせ我慢」、このひと言が素晴らしい。「やせ我慢」とは何か、蟹江さんはこうつづっている。

 「義理と人情を果たすために、ちょっとだけ自分を犠牲にするときの本音。相手には察せられないようにする」

 このすがすがしい生き方。人が好きな、そして人の力を信じる者しか言えないひと言だ。蟹江さんはスタッフに「思いやり、感謝、敬う気持ち」の大切さを説く。

 蟹江さんは現在、「料理・酒・人」が三位一体となった地元密着の居酒屋・惣菜屋5店を経営するまでになった。 (細見昇市)

 ■ほそみ・しょういち 1963年生まれ、京都市出身。大学卒業後、リクルートを経て93年に戦略型求人広告代理業務「キイストン」を設立。「波乱」に満ちた経営者ら2万人と会ってきた経験を生かし、人材採用コンサルタントとして活躍。当連載名もあえて「波乱万丈」とした。著書に「リクルート式 一瞬で人事担当者の心をつかむ方法」(PHP研究所)など。

 

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