【激変!相続税に備える】節税より支払い手段確認 遺産売却、保険金受取人、銀行に借金…納税準備を

2015.01.21


延納、物納件数【拡大】

 相続税が改正され、遺産から差し引ける基礎控除が4割も減額されたため、首都圏にマイホームを持っていれば、相続税を負担する可能性が高まった。将来、相続税を負担する現実と、その金額がわかったら、節税ではなく、相続税をどう支払うかを優先的に確認することが重要だ。

 納税額が、親の預貯金で足りればいい。足りない場合が問題だ。子供の預貯金で納税する以外に、(1)遺産を売却する(2)保険金で補う(3)銀行などから借金する、といった具体的な納税の準備を考えなければならない。

 遺産を売却するのは簡単なようだが、納税のタイミングで都合よく買い主が現れて、希望金額で購入してくれる保証はない。遺産は売れるのか、いくらで売れるのか、買い主は誰か、売るための条件は何か、代金を手にするまでにかかる時間はどれくらいか、などを十分に確認しておきたい。

 代金を手にするまでに時間がかかるようなら、つなぎ融資も確認する必要がある。遺産を不動産に置き換えると分かりやすいだろう。株式などを売却する場合は、配当が生活費の一部となっている場合があるので、注意が必要だ。

 生命保険などの保険金で納税する場合は、保険金の受取人に気をつけなければならない。保険金は、税法上の相続財産だが、民法上は相続財産ではない。受取人の固有の財産であるため、受取人が他の相続人の相続税を負担する場合は、受取人と他の相続人との間で贈与が発生する。

 多額になれば、贈与税の負担は大きい。これを避けるために、受取人の名義を変更しておいたり、遺言書で代償金を指定するなどの準備が必要だ。銀行などから借金する場合は、具体的な返済の根拠や、抵当権の設定などを確認しておく。

 納税というと、延納や物納の制度を思い出したかもしれない。しかし、延納と物納の選択肢はないと思った方がよい。2007年に物納制度が改正され、延納や物納制度を利用する前提条件の「金銭納付を困難とする理由書」が厳しくなった=表。預貯金のすべてをさらけ出し、生活保護の受給額に近い生活費で暮らすことを前提に申請しなければならず、現実的に選択できない。

 相続対策は、納税だけを考えても整わない。仮に親の預貯金で納税できても、マイホームを相続する子供と、しない子供の格差を放置すれば争いになる。納税だけでなく、分割対策も合わせて考えなければならない。

 ■安食正秀(あじき・まさひで) アセット・アドバイザー代表。相続アドバイザー協議会会員。不動産コンサルタント。1963年、東京都生まれ。立教大卒。熊谷組を経て、2006年に起業。次世代への財産承継を最優先に、相続対策の企画立案、実務支援を行う。

 

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