欧州中銀「80兆円緩和」の威力 デフレの一因「原油安」が日銀緩和にも影響

2015.01.22

 ユーロ圏19カ国の金融政策を決める注目の欧州中央銀行(ECB)理事会が22日、開かれる。デフレを阻止するため量的金融緩和政策導入が議論されるが、緩和の規模は「少なくとも6000億ユーロ(82兆円)」との観測も出ており、世界の金融市場に大きな影響を与えそうだ。

 日米英の中央銀行にならい、欧州中銀も初の量的緩和に踏み切れば、ユーロ圏の金融政策は大きな転換点を迎える。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は、「少なくとも6000億ユーロ(約82兆円)規模」の量的緩和を討議する見通しだと報じた。量的緩和実施は株式市場や為替市場で織り込まれつつあるが、市場の事前予想の中心である5000億ユーロ(約68兆円)を大きく上回るサプライズとなれば、それだけ株高やユーロ安圧力も強まりそうだ。

 ユーロ圏の昨年12月の消費者物価指数は前年同月より0・2%落ち込み、5年2カ月ぶりのマイナスとなった。原油安によるエネルギー価格の下落が響き、デフレ懸念が一段と高まっている。債務危機の影響が残るユーロ圏では、財政出動に拒否反応を示す国が多く、景気対策は金融政策頼みになっている。

 ただ、課題も残る。最大の経済大国であるドイツが量的緩和に消極的であるほか、「量的緩和ではユーロ圏各国の国債を買い取るが、格付けの低いギリシャ国債が対象にならなければ、財政危機は解消しない」(市場筋)との見方もあるだけに、買い取り対象や規模をめぐって、欧州中銀のドラギ総裁は難しい判断を迫られそうだ。

 欧州のデフレ危機の一因となった原油安は日銀の物価目標政策にも影を落としている。21日の金融政策決定会合で、15年度の消費者物価指数(生鮮食品を除く)の上昇率見通しを従来の1・7%から1・0%に大幅に引き下げた。黒田東彦(はるひこ)総裁は、原油価格の急落で物価の伸びが鈍化しているためと説明している。原油安は実体経済には恩恵をもたらすが、デフレ脱却には「黒田バズーカ第3弾」が焦点となりそうだ。

 

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