【激変!相続税に備える】「子や孫への贈与」緩和 相続対策に即効性あり

2015.01.28


教育資金贈与信託の受託状況(累計値)【拡大】

 今年から相続税は増税されたが、子や孫に対する贈与税は緩和されている。高齢者の資産を現役世代へ早期に移転させることで、経済効果を期待しているためだ。すでに施行された贈与税の改正以外に、昨年末に発表された2015年度税制改正大綱でも、贈与を促す内容が目立っている。

 子や孫に対する1500万円までの教育資金一括贈与の非課税措置は年内が期限だったが、これも19年3月末まで延長される。また、対象となる教育資金の使途に、通学定期券代や留学渡航費が加わる。

 教育資金贈与は、相続税と贈与税の両方に効果があり好評だ。13年4月の施行から昨年9月末までの1年半で、累計6000億円がこの信託財産として設定されている。

 教育資金以外に、20歳以上50歳未満の個人に対する「結婚・出産・育児」資金の贈与について、1000万円まで非課税とする措置も発表された。ただし、贈与者が亡くなると、その時点で口座に残っている資金は、相続財産に加算しなければならない。この点が教育資金贈与とは異なるので注意したい。

 子や孫に対する住宅資金贈与の非課税措置は、期限の延長だけでなく金額も増額される。良質な住宅用家屋に対する限度額が、昨年は1000万円だったが、今年は1500万円まで非課税となる。消費税が10%に増税された後の景気刺激策も兼ねており、費用に含まれる消費税等の税率が16年10月以降で10%の場合は、3000万円もの非課税枠が用意されている。

 贈与には注意すべき点がふたつある。ひとつは名義預金、もうひとつは連年贈与だ。名義預金とは、子や孫名義の通帳に貯めた預貯金のことだ。子や孫がその存在を知らず、自由に使える預貯金でなければ、たまたま通帳の名義が違うだけで、実質は親や祖父母の預貯金だと判断される。

 連年贈与は例えば、子供が被保険者である貯蓄型生命保険の保険料を、親が代わりに支払い続けるようなものだ。保険料が年間100万円の非課税枠の範囲だからと、10年間も贈与を続ければ、税務署からすれば、実質は1000万円を贈与する目的であったと見なされてしまう。

 贈与は、相続税対策に有効で即効性がある。贈与により、その人の最も相続税率が高い財産を減らすことができるからだ。税制改正大綱が年度内に可決成立すれば、すぐに適用されるものもあるので、対策に組み入れるのもよいだろう。

 ■安食正秀(あじき・まさひで) アセット・アドバイザー代表。相続アドバイザー協議会会員。不動産コンサルタント。1963年、東京都生まれ。立教大卒。熊谷組を経て、2006年に起業。次世代への財産承継を最優先に、相続対策の企画立案、実務支援を行う。

 

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