マクドナルド 顧客離れ加速で粗利益以外は赤字

2015.02.17


(1)貸借対照表【拡大】

 本日は、日本マクドナルドホールディングスをピックアップする。使用期限切れ鶏肉問題や異物混入問題で世間を騒がせている同社であるが、その実態はどうなっているのだろうか。先日発表した2014年12月期の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対して純資産が約79%もあり、安全性についての懸念はない。しかも、利益剰余金が純資産の大部分を占めており、業績好調だった頃の利益の蓄積が反映されている。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。売上総利益率(粗利益率)がわずか9%しかない。もともと低価格戦略をとっていた同社であるため利益率は低めである。その代わり、多店舗展開で大量に商品を顧客に提供することで一定の売上高を確保し、低い利益率をカバーしてきた。

 しかし、一連の問題で顧客離れが加速し、コストを吸収するほどの利益を稼げなくなってしまった。結果として粗利益以外のすべての利益は逆階段の赤字となってしまった。

 最後にキャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業での現金の稼ぎを表す営業C/Fがマイナスである。また、投資も継続して行っており、株主配当も行っている。その結果、601億円あったキャッシュがこの1年間で286億円にまで減少した。

 「外食の雄」として長年、外食産業を引っ張ってきたマクドナルドであるが、「使用期限切れ鶏肉」「異物混入」をきっかけにその牙城が崩れてしまうのか。「食の安全」「健康志向」という消費者の要求に、どれだけ応えることができるかが一つの鍵となるだろう。 (川口宏之)

 ■かわぐち・ひろゆき 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

 

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