「パイオニア」スマホ普及でカーナビ、音響事業が苦戦

2015.03.03


(1)貸借対照表【拡大】

 本日は、電機メーカー大手のパイオニアをピックアップする。音響機器やカーナビなどで業界内の地位を築いてきた同社であるが、直近の実態はどうなっているのだろうか。2014年12月期(第3四半期)の決算書をもとに、読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対して純資産が約25%で、安全性に関してはやや心許ない。借入金への依存度が高く、過去の利益の蓄積である利益剰余金が小さい状態だ。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。営業利益はギリギリ黒字。営業利益率でわずか1・4%だ。売上高・営業利益ともに前年同期と比べると増えているが、それでも収益力は低いと言わざるを得ない。それに加えて今年度は為替相場が円安で推移したため、為替差損が前年同期の2倍に膨れ上がり、経常利益が赤字になってしまった。

 同社は特に、国内のカーナビやカーオーディオの販売で苦戦している。ナビ機能やオーディオ機能を持つスマホの普及で、同社製品のシェアを奪われているのが実態だろう。

 構造改革が急務の同社は、さまざまな施策を打ち出している。まず、スマホと競合する簡易型カーナビの開発を終了し、高機能カーナビに資源を集中する。また同社は、AV機器事業を切り出してオンキヨーに統合させることに加え、DJ機器事業を米投資ファンドに譲渡することを発表した。

 事業のスリム化と再構築で現状を打開することができるだろうか。今後の同社の動向に注目である。 (川口宏之)

 ■かわぐち・ひろゆき 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

 

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