50周年「テクニクス」復活の狼煙 欧州ではスピーカーに高い評価

2015.04.15


徹底した音づくりで評判を集めたテクニクス【拡大】

 「Technics(テクニクス)」というブランドを聞いて、懐かしく感じる人も多いだろう。

 パナソニックは、4年ぶりに復活したテクニクスブランドの第1弾となるリファレンスシステム「R1シリーズ」(システム希望小売価格・税別511万4000円)と、主力のプレミアムシステム「C700シリーズ」(同58万2000円)を今年1月からドイツと英国で発売。2月中旬には日本での販売を開始した。米国や欧州全域にも拡大予定だという。

 発売後、ドイツでは、スピーカーに対する評価が高いというが、これは、日本のオーディオメーカーでは異例だ。

 パナソニック アプライアンス社ホームエンターテインメント事業部テクニクス事業推進室チーフエンジニアの井谷哲也氏は、「欧州では、日本のオーディオメーカーのアンプやチューナーに対する評価は高く、スピーカーに対する評価はそれほど高くはないという傾向があった。だが、今回の製品では、独自の同軸平板2ウェイユニットによる理にかなった仕組みや、クリアな音が高い評価を得ている」という。

 日本ではデジタルアンプの評価が高い。「アンプだけを購入するという人が予想以上に多く、在庫切れを起こしている」という人気ぶりだ。

 東京・有明、大阪・梅田のパナソニックセンターに設置した試聴ルーム「テクニクスサロン」で、実際の音を聴くことができるが、「デジタルアンプらしくない自然な音に興味を持ち、購入していただくケースが少なくない」とする。

 パナソニックでは、発売に向けて徹底的なチューニングに取り組んだ。音づくりの中核を担うのが、コミッティと呼ばれる存在。4月から同社唯一の女性役員に就任、プロのジャズピアニストであるテクニクス事業推進室・小川理子室長を中心に組織化された。

 スピーカーは入ってきた電気信号を音波に変換するが、ここでさまざまなロスが発生する。細かなニュアンスが音波にならないことを「音の粒立ち」「耳に痛い」など感覚的な言葉で表現し、ロスをひとつずつ取り除く。測定データだけでは解決できないのが、この世界の特徴だ。

 C700シリーズの購入層の中心は、40〜50歳代の男性だが、リビングにマッチするデザインを採用。主婦にも音楽を楽しんでもらうという新たな提案を盛り込んだ。

 「オーディオマニア向けの製品に留まらず、音楽愛好家のための製品を目指す」という方針に基づいた新製品も追加投入する予定だという。

 2015年は、テクニクス誕生から50周年。復活の狼煙(のろし)をさらに高くする1年となりそうだ。 (ジャーナリスト)

 ■大河原克行(おおかわら・かつゆき) 1965年東京都生まれ。「週刊BCN」編集長を経て独立。25年以上IT・家電業界を取材する。著書に『松下からパナソニックへ 世界で戦うブランド戦略』(アスキー新書)など。

 

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