「あの頃」に戻るハイレゾオーディオ 情報量はCDの6.5倍

2015.04.22


ソニーが力を入れるハイレゾ製品【拡大】

 最近、注目を集めているのが、ハイレゾオーディオである。高解像度という意味を持つハイレゾ(ハイレゾリューション)という言葉からもわかるように、ハイレゾオーディオは、音の情報量が多いのが特徴だ。その情報量は、CDの約6・5倍にも達する。

 音の情報量が多いと、どんなメリットがあるのだろうか。ひとことでいえば、CDでは記録できなかった音までが記録できるようになり、音の奥行き感や、表現力が広がることになる。スマホやiPodなどで一般的に利用されている圧縮音源技術はCDよりも劣っており、ハイレゾとの音の違いは歴然だ。

 昨年、ソニー直営店のソニーストアを取材した際に、そこに貼られたポスターの言葉に、ハイレゾならではの音質の良さを、的確に示すメッセージが盛り込まれていたことに感嘆した。

 「聴きどころはマイケルの『タ!』、『ツ!』」

 マイケル・ジャクソン特有の息づかいが、ハイレゾならば、よりライブ感を持って再現できるというメッセージだ。

 ソニーでは「原音に近い音質を実現できるのがハイレゾオーディオ。アーティストの息づかいやライブの空気感など、CDでは聴こえなかったディテールやニュアンスを感じ取ることができる」とその特徴を示し、「聴きなれた音楽ほど、音質の違いを理解してもらいやすい」とする。ウォークマンシリーズにもハイレゾ対応機を用意。Aシリーズは2万円台で購入できる。ハイレゾウォークマンの出荷台数は前年比15%増。ヘッドホンなどを含めた関連機器の売り上げ構成比はオーディオ事業全体の30%を突破したという。

 ハイレゾ対応の楽曲もかなりそろってきた。ソニー系の音楽配信サイト「mora」では、5000曲のハイレゾ楽曲を用意。ハイレゾ楽曲だけを配信するe−onkyo musicでは、8万5000曲以上のハイレゾ楽曲がダウンロード可能だ。

 特に、ハイレゾオーディオに飛びついているのが、40〜50代のビジネスマンだという。moraが発表した3月のハイレゾダウンロードランキング(シングル)は別表の通りだが、小泉今日子、REBECCAといった名前が並ぶ。ベスト10圏外でも宇多田ヒカルや尾崎豊、久保田早紀、山口百恵、中森明菜などが上位に入っている。総合ランキングに最新ヒット曲が並んでいるのと比較すると、購入層の違いを浮き彫りにする結果ともいえよう。

 「若い時にはよく音楽を聴いていたが、最近は音楽を聴く機会が減っていた、という40〜50代のビジネスマンが、ハイレゾをきっかけに戻ってきている」と、ソニーでは分析する。思い当たる人は、ハイレゾオーディオで「あの頃」に戻ってみてはどうだろうか。 (ジャーナリスト・大河原克行)

 

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