日本マクドナルドHD すべての利益がマイナス

2015.09.01


(1)貸借対照表【拡大】

 本日は、日本マクドナルドホールディングスをピックアップする。昨年からの相次ぐ品質問題から業績不振に陥っている同社であるが、その実態はどうなっているのだろうか。先日発表した2015年6月中間期の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対して純資産が66%もあり、安全性についての懸念はない。過去の利益の蓄積である利益剰余金がたくさん残っているため、これだけの財務基盤が維持できているのだ。しかし、この比率が徐々に減少傾向にあることが気がかりだ。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。なんと、売上総利益(粗利益)も含めて、すべての利益がマイナスである。昨年7月に発覚した使用期限切れ鶏肉や今年1月に明らかになった異物混入などの問題が影響し、顧客離れが深刻化している。そのため、売上高が前年同期比で30%近くも減少した。

 もともと薄利多売のビジネスで利益率は低い企業であるため、ある程度の売上規模が確保できないと原価を吸収することができない。また、一部のフランチャイズチェーン店に対するロイヤルティー減免も減収の一因だろう。

 最後にキャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業での現金の稼ぎを表す営業C/Fがマイナスである。また、店舗改装などで投資C/Fもマイナスであるため、外部借入をして、減り続ける手元資金の確保を行った。

 同社は、生産現場視察の一般公募などで食材の安全性をアピールしつつ、不採算店舗の閉鎖などで経営の合理化も急ぐ。また、健康志向の新メニュー開発や店舗の全面禁煙など、さまざまな施策で顧客の呼び戻しを図っている。18カ月連続で既存店売上高が減少している同社だが、まずはここを食い止めたいところである。(川口宏之)

 ■かわぐち・ひろゆき 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

 

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