漫画離れした大人たちを虜に 小学館『コロコロアニキ』

2015.09.08


小学館『コロコロアニキ』【拡大】

 1977年創刊の『コロコロコミック』は、小学生男子が主な読者の人気漫画雑誌で、100万部を超える。『ドラえもん』などの人気作品や、ビックリマンシール、ミニ四駆など小学生男子のブームの発信源である。

 読者の中心は小学4、5年生で、多くは小学校卒業とともに雑誌も卒業していく。その数、年間数十万人、累積1000万人以上という。

 2014年10月に第1号を発売した『コロコロアニキ』は、「小学生お断り! コロコロ卒業生に贈る大の大人のコロコロコミック」(公式HP)である。初版10万部が、雑誌では珍しい4万部の増刷となる大ヒットとなった。現在、発売中の第3号も人気だ。

 立ち上げた編集部デスクの石井宏一さんは、「ミニ四駆が大人の間ではやっている」ことがきっかけだったという。ミニ四駆はモーター駆動のクルマ玩具。自分でチューンアップできることで、手間暇かけた愛車を競い走らせる楽しみから、子供たちに大ブームとなった。

 1980年代『ダッシュ!四駆郎』、90年代『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』と『コロコロコミック』連載の作品がブームを引き起こしてきた。その頃の子供が、大人になって第3次と呼ばれる現在のミニ四駆ブームを牽引(けんいん)している。

 『コロコロコミック』卒業生を対象とした漫画誌の企画は常にあったが、石井さんは「懐かしさだけではなく、現在進行形の動きがあることで、可能性を確信した」。

 雑誌を見て漫画家になった人たちも大人になり、大人向けに漫画を描ける世代になっていることも企画の後押しをした。当時の人気作品だけではなく、30歳を過ぎた主人公が活躍する『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の続編漫画など、新作を載せている。

 創刊にあたってこだわったのは、「コロコロらしさ、電子媒体と違う雑誌らしさ」だという。その作品しか読めない電子媒体に対し、雑誌は手にとってみたら他の漫画が面白い。あるいはゲームなど他の情報も知ることができるプラスαの楽しみがある。

 また、多くの漫画雑誌が、連載作品をまとめた単行本に力を入れるあまり、話の途中から読むことができなくなっているのに対し、「コロコロは途中から見ても面白い。毎号毎号、純粋に楽しめる」。雑誌ならではの魅力に力を注いだ。

 「漫画50年の歴史から難解な漫画も多くなったが、多少ダサくても元気良さ、楽しさを追求し、大人向けでも突き通した」ことで、漫画から離れてしまった大人たちが、ワクワクし手に取った。 (村上信夫)

 

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