再来!!外食デフレ戦争 牛丼値下げで火ぶた 質より価格 森永卓郎氏が予測

2016.01.04


牛丼チェーンも再び値下げ競争に突入するのか【拡大】

 2016年の外食業界は、再びデフレ戦争に突入するのではないか。

 根拠は2つある。1つは、景気後退だ。厚生労働省の毎月勤労統計によると、15年夏の賞与は、前年比2・8%減だった。冬の賞与は、三菱UFJリサーチ&コンサルティングによると、前年比2・1%減となる見込みだ。政府・日銀は「景気は緩やかに回復」としているが、中国経済の減速や内需不振で、すでに景気は後退過程に入っている。景気が悪いからこそ、賞与が減ったのだ。

 16年は、景気がさらに悪化する可能性が高い。昨年の景気後退を受けて、大手企業の労働組合では、すでに要求水準を昨年より引き下げる動きが出ているから、賃上げは期待できない。また、公的年金も15年の物価上昇ゼロを受けて、改善はまったく望めない状況だ。こうした所得環境では、価格のたたき合いが起こりやすい。

 もう1つの根拠は、牛丼の価格だ。15年10月、牛丼各社は値下げセールを行って大幅に売り上げを増やしたが、セールが終了した11月の売り上げは、吉野家が前年同月比7・3%減と、5カ月ぶりのマイナスとなった。すき家も0・6%減と4カ月ぶりのマイナスだった。消費者が価格に敏感に反応するようになった証拠だ。所得が減っているのだから、当然の動きだろう。

 アベノミクスで景気が拡大して以来、外食産業では、価格よりも質を求める動きが続いてきた。しかし、消費者は再び価格を求め始めている。外食産業は、17年4月からの消費税の再増税で軽減税率の対象から外れた。

 また消費増税で、消費者の懐がますますさびしくなるのは間違いない。だから、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)発効を先取りする形で、外食産業は、し烈な価格競争に突入するのではないだろうか。

 とりあえず、TPPで関税率の引き下げが大きい牛肉関連から激安競争が始まるだろう。牛丼はもちろん、ハンバーガー、焼き肉などの価格競争が高まるとみられる。16年は、外食産業のトレンドが変わる元年になるだろう。 (獨協大教授・森永卓郎)

 

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