まるか食品『イカ天瀬戸内れもん味』 女性をターゲットにした味とパッケージ

2016.02.02

まるか食品『イカ天瀬戸内れもん味』
まるか食品『イカ天瀬戸内れもん味』【拡大】

  • <p>まるか食品『イカ天瀬戸内れもん味』</p>

 スルメイカを揚げた昭和の香りがする庶民の珍味「イカ天」が、若い女性の圧倒的な支持を受けている。まるか食品(広島県尾道市)の『イカ天瀬戸内れもん味』だ。2013年12月発売。約1年で出荷数100万袋を突破し、15年末時点で累計430万袋と大ヒット、勢いは止まらない。

 尾道は、北前船の時代から北海道のスルメイカなど海産物の集散地。イカ天がたくさん作られ、全国に12社あるイカ天専業メーカーのうち尾道に5社が集中している。

 イカ天は、花見、盆、年末年始という飲酒の多い年3回がピークの商品。「それ以外の谷間をいかに埋めるかということが課題だった」と企画開発部の松枝修平さん。『イカ天瀬戸内れもん味』は谷間対策の味付け商品として、地元のレモンを使い、13年夏、期間限定で発売された。大きな反響が地元の土産店からあり、定番発売を決定した。

 しかし、定番化に当たって「何かもの足りない」「本物のレモンらしくない」という意見があり、「どう具体的に改良していくのか答えが見つからず、試行錯誤を繰り返した」(松枝さん)。限定商品の開発から1年半、通常の開発期間の数倍かかり、サッパリしていてうま味もある食べ飽きない味にたどりついた。

 また、「イカ天を女性にも食べてもらいたい」と、サイズ、味、パッケージデザインなど徹底的に商品を見直した。パッケージは、珍味では使わないパステルカラーのかわいいデザイン。チャックを付け、食べ残すことも可能にした。イカ天のサイズも通常の5分の1、一口サイズと女性にとっての食べやすさを追求した。

 男性社員からは「恥ずかしい」「ボリュームがない」などの意見もあったが、「中心となった女性開発スタッフの熱意が押し切った」(松枝さん)という。

 こうして生まれた「女性のためのイカ天」は、小売店の仕入れ担当が店頭POPで「おすすめ!」と一押ししたり、一般の消費者がブログやSNSで拡散したりと、発売当初から熱狂的なファンが後押しした。

 15年1月、ホームページに「約1年で100万袋出荷!」と掲載、開発の思いや苦労話など商品に関わるストーリーを伝えたことが弾みとなり、多くのメディアが取り上げ、全国的に広がった。

 珍味メーカーはヘビーユーザーの高齢化が進み、若い世代の開拓が急務だったが、それができずにいた。『イカ天瀬戸内れもん味』のヒットは、「珍味業界活性化のヒントになった」と松枝さんはいう。 (村上信夫)

 

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