牧伸二 認めざるを得ない「ウクレレの神」

2016.06.02

牧伸二
牧伸二【拡大】

 ある30代の女子が、「ウクレレかギターをやりたいのだが」と、相談してきた。ただ、相談というわりには別の男子にも意見を求めていて、「ウクレレは牧伸二じゃあるまいし、やめろ」とすでに言われ、「よくわからないけど、ギターに傾いている」と言った。わたしは少し驚き、それを言った男子はいくつかと聞いた。40歳過ぎの営業男子だった。

 ウクレレといえば牧伸二。そんなイメージがこれほどまでに浸透しているのか。

 たしかに、われわれ、50代以上の世代にとって、ウクレレは、プレスリーだったり、灰田勝彦だったり、加山雄三だったり、いろいろなイメージが入り交じる。さらに話をややこしくしてるのは、ウクレレ漫談の牧伸二。楽曲や演奏技術としてのウクレレではなく、どちらかというとお笑いの小道具としてのウクレレだ。

 2016年現在において、ウクレレと聞いて真っ先に名前が挙がる牧は、やはり、「ウクレレの神」と認めざるを得ない。そうだよな、掃除の時間、竹ぼうきやハタキでプレスリーはやらないけど、「あ〜あ〜あ、やんなっちゃった、あ〜あ、あんあ、驚いた」なんてやってたもんな。

 牧のウクレレ漫談は、「大正テレビ寄席」(テレビ朝日系)で、1963年から78年まで、15年に渡り披露されていた。まさに、「継続は力なり」とはこのことである。

 ウクレレといえば牧。この状態は、ざっくり言って、73年生まれの人たちが死に絶えるまで、あと50年は続く。

 牧は、後年、不幸な最期を遂げたが、改めて当時の子供の「神」であったことに敬意を表したい。 (中丸謙一朗)

 ■なかまる・けんいちろう コラムニスト。1963年生まれ。『POPEYE』『BRUTUS』誌で編集者を務めたあと独立。主な著書に『ロックンロール・ダイエット』(扶桑社文庫)、『車輪の上』(エイ出版)、『大物講座』(講談社)など。好きな神は山口百恵と田中角栄。

 

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。