【マンション業界の秘密】日本から「大工」が消える日 いま危機にある伝統的な木造建築の技術 (1/2ページ)

2016.06.05

不動産業界は匠の技術を受け継げるか
不動産業界は匠の技術を受け継げるか【拡大】

 私は1962(昭和37)年生まれだ。今はどうか知らないが、中学校の技術の時間には鋸(のこぎり)、鉋(かんな)、鑿(のみ)、金づちなどの使い方を教わった。

 その時、「こんな道具を自由に使いこなせる大工さんはすごいなぁ」と感じたものだ。

 20年ほど前、マンション施工を手掛ける地場の少し大きな工務店を取材したことがある。社長はもちろんベテランの大工。その時、さまざまな道具の種類や、その手入れについて貴重な話を伺った。

 その社長に質問した。

 「そういう大工の技術は、マンションの施工現場で役に立ちますか」

 社長はちょっと困った顔で答えた。

 「まったく関係ありません」

 確かにマンションの施工現場にも大工と呼ばれる職人はいる。木枠や建具を取り付けたり、フローリングを張ったり。造り付けの家具を据え付けるのは彼らの仕事だ。

 戸建て住宅を建設する場合も、大工が活躍する。しかし、最近の戸建て住宅はほとんどがプレハブ工法だ。

 プレハブとは、簡単に言うと、工場で造られた建材を組み立てていくだけ。接合はくぎ打ち機などを使う。

 伝統的な大工道具である鋸、鉋、鑿、金づちを使うことはない。極端な話、プレハブ住宅の建設現場で作業する大工に、昔ながらの道具箱は必要ない。何種類かの機械があればOKなのだ。

 言ってみれば、マンションやプレハブ住宅を造っている大工は、昔の大工ではなく組立職人と呼んだ方が実態を表しているかもしれない。

 その社長が、しみじみと言っていた。

 

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