【経済インサイド】自転車は環境物品? 中国の強引なこじつけに欧州猛反発 混迷するWTO交渉の舞台裏 (1/3ページ)

2016.08.01

 北京市内にあるスーパーの自転車売り場。電動タイプも含め、環境に優しい自転車の人気が高まっている
 北京市内にあるスーパーの自転車売り場。電動タイプも含め、環境に優しい自転車の人気が高まっている【拡大】

 自転車は排ガスもなくエネルギーを使わないエコな乗り物。当然、環境物品として扱うべきだ−。

 太陽光パネルなど環境関連製品の貿易自由化に向けた世界貿易機関(WTO)の「環境物品協定(EGA)」交渉における“ある国”の驚くべき主張である。自転車大国とされるその国は、EGAの関税撤廃対象品目に自転車を加えようと画策。国内の自転車市場が飽和の危機にあり、輸出拡大に活路を見いだそうと躍起なのだ。南シナ海への海洋進出同様、その強引な手法で交渉を進める中国のことである。

■譲歩姿勢の裏で狙うのは

 7月10日に中国上海市で開かれていた日米欧や中国などの閣僚級によるEGAの非公式会合は、9月上旬のG20サミットまでにEGAの大枠を決めることや、幅広い範囲で関税撤廃に向けて交渉を進めることなどで合意。その上で、今年中に閣僚級会合を開いて妥結を目指すことで一致した。

 実は中国は当初、直前まで同会合に出席するかが懸念されていた。自国企業を保護したい中国は、ガスタービンやバッテリーなどの環境物品が無関税で輸入されるのを避けたく、関税撤廃でなく関税引き下げならば交渉に応じるというスタンスだったからだ。

 ところが、EGAと同時に開催された20カ国・地域(G20)の貿易相会合の共同声明には、EGAに関して幅広い範囲で“関税を撤廃する”協定の締結を果たす、と明記された。

 実は当初、中国は議長国の立場でEGAに関する文言を外すよう主張していた。事実、「EGAについて声明文に盛り込みたい日本や欧米が連携して中国を説得するのに時間がかかり」(交渉筋)、声明文書の採択時間は予定の午前11時半から約2時間遅れた。

 結局、日欧米の提案として、当初予定していた9月のG20首脳会議での大筋合意ではなく、G20首脳会議で着地点を探り、年末の担当閣僚級会合で大筋合意を目指すという「合意までの2段階案」を中国は受け入れた。これにより中国は議長国としての面目を保ちながら、交渉進展に向け態度を軟化、各国に譲歩したというイメージを植え付けた。

 

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