持ち家信仰の時代錯誤 買うよりリスク少ない「賃貸」 (1/2ページ)

2016.12.04

売ったらいくらになるのか、それを考えて買うことだ
売ったらいくらになるのか、それを考えて買うことだ【拡大】

 家は買うもの。家を建ててこそ1人前。みんなそう思っている。考えてみれば、不思議な価値観である。

 家は墓の中まではもちろん、あの世へも持っていけない。しかし、子孫に残すことはできる。この国では、親が残してくれた不動産は長らく「ありがたい」存在だった。

 ところが、最近は様子が違っている。親から残された不動産が負担になってしまうことが多い。その理由は、換金性が薄れたからだ。

 その昔、土地でも家でも田畑でも、あるいは山でさえ「売りたい」と言えば買い手がすぐに現れた。「売りたい」と言わなくても、「売ってください」と誰かが訪ねてくることも多かった。今は様子がまったく違う。

 おそらく、面積割合にすると日本の不動産の9割以上には積極的な買い手が現れない。「売りたい」といえば、「まぁ…なら考えてもいいかな」程度の消極的な買い手が出てくるくらいだ。

 よく話題に出る新潟・苗場のリゾートマンションは10万円で何十物件も売りに出ているが、一向に減る気配がない。10万円でも買い手がいないのだ。本心では「10万円払いますからもらってください」というオーナーも多いはず。

 こんな時代に「男は家を建ててこそ1人前」という感覚は、時代錯誤もはなはだしい。お金が余っていればマンションや一戸建て住宅を買ってもいいだろう。しかし、定年退職まで返済しても、まだ返しきれないほどの住宅ローンを組んでまで家を買うべきなのだろうか。大きな疑問だ。

 高度経済成長期のように、多少無理をして家を買っておけばそれが資産になった時代ならよかった。だが、今は、よほど都心の人気エリアでもない限り、購入価格に近いか、それ以上の値段で売却できることはまずない。

 

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