がん闘病中に撮った虹がきっかけ 自動車部品営業マンが「写心家」に (1/2ページ)

2016.12.09

撮るのは仕事だけど「撮られるのは苦手なんです」と話す永田さん
撮るのは仕事だけど「撮られるのは苦手なんです」と話す永田さん【拡大】

 何がきっかけで違う人生を歩むことになるかわからない。写真家の永田知之さん(49)は、突然目の前に現れた虹がきっかけで子供の頃の夢を実現した。

 飛行機や鉄道などの写真を撮るのが好きだった。カメラマンに憧れを抱いてはいたものの、大学卒業後は自動車部品メーカー、土屋製作所(現マーレフィルターシステムズ)に就職。「セールスエンジニアで、自動車の技術を企業に売り込む営業をしてました」

 転機は40歳の時。「高熱が出てカゼかなと思ったんですが、首の周りのリンパ節が腫れてきて、病院へ行って検査をしたら」悪性リンパ腫であることを医師から告げられた。血液のがんの一種で、9年前の数字で5年生存率は35%。永田さんは「4期B」まで進行していた。

 父の知人に勧められたのが、がん患者が多く集まる湯治場、福島県三春町のラジウム温泉。「たまたま外をプラプラ歩いていたとき、ポワーっと大きな虹が出たんです。すぐに小さなカメラで撮って温泉に来てる人たちに見せたら、みんなパーと表情が明るく笑顔になって」

 無心で撮った1枚の虹の写真が人を元気にする。一時は生きる希望さえも失いかけていたが、自分にはまだできることがあると思い直すようになった。

 

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