エアバッグのリコール(回収・無償修理)問題に揺れるタカタの経営がいよいよピンチだ。10日発表した平成28年4〜12月期の連結最終損益はリコール関連費用の計上で671億円の赤字(前年同期は25億円の黒字)に陥り、自己資本は449億円まで減った。一方でタカタが経営再建を託すスポンサーの選定は、再建手法をめぐって難航しており、時間がかかれば一段と経営が悪化しかねない。
28年4〜12月期に大幅赤字に転落したのは、今年1月に米司法省との間で支払いに合意した和解金などリコール関連費用を特別損失として合計1千億円超計上したため。この結果、自己資本は昨年9月末から767億円も目減りした。
今回の決算を受けタカタは29年3月期の最終損益見通しも下方修正。昨年11月時点の200億円の黒字予想から一転、640億円の赤字に見直したことで、自力での自己資本の改善はさらに見込みにくくなった。