2020年の東京五輪で新たに正式種目に加わる「スポーツクライミング」。“ホールド”と呼ばれる突起物を使い、人工壁をよじ登る。いかにも若者向けのタフなスポーツに思えるが、中高年の新たな趣味としても注目を集める。その魅力と楽しむコツを探った。
■競技人口60万人
スポーツクライミングには、制限時間内にコース(課題)をいくつクリアできたかを競う「ボルダリング」、高さを競う「リード」、速さを競う「スピード」の3種類がある。中でも、全国各地でジムが急増しているのが「ボルダリング」だ。競技人口も増えており、現在では約60万人といわれる。
クライミングジム「グラビティリサーチ」を運営する好日山荘によると、「ボルダリングは男女ともに10〜60代まで年齢層が幅広い」(販売促進部)という。
高さ5メートル以下の“それほど高くない壁”を体ひとつで登るのがボルダリングの特徴だ。ロープなどの道具は使わない。必要なのは、クライミングシューズと滑り止めのチョークのみ。多くのジムは靴などのレンタルも行っているため、動きやすい服さえあれば、手ぶらで楽しめる。
「スポーツジム通いより、さらに手軽。仕事帰りにバッティングセンターに寄る感覚に近い」(同)